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ロシアの戦闘停止表明 背景に冷戦後の勢力圏後退への反撃 (1/2ページ)
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【モスクワ=佐藤貴生】メドべージェフ大統領は12日、戦闘を停止する意向を表明した。ロシア、グルジア双方が実際に停戦合意に至るのか、なお不透明だが、ロシアが交渉に応じるタイミングを計り始めていたとしても不思議ではない情勢ではある。冷戦後、欧州周辺で勢力圏の一方的な後退を強いられてきたロシアからすれば、今回の紛争はそれに対する反撃を加える意味があった。
紛争により、ロシアと欧米の関係は冷戦終結後、最悪のレベルに落ち込んでいたといっても過言ではない。国際社会の非難の声が日増しに高まり、「これ以上、米欧との関係を悪化させるのは得策ではない」との認識が感情がクレムリン内部に広がっていたことも考えられる。
同時に、ロシアの“裏庭”に位置するグルジアの国民に、親欧米派政権を支持することの代償の大きさを「知らしめる」という点でも、これまでの戦闘によって一定の効果があったと踏んでいるようだ。軍事力で圧倒的優位に立つロシアが、グルジアの空軍基地など軍事施設を激しく空爆し破壊したことで、その軍事力を削いだことも戦闘停止表明の背景にあるとみられる。