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カレーかきもちが農水大臣賞
新発田市の米菓メーカー、さくら製菓の「カレーかきもち」が、このほど兵庫県で開かれた全国菓子大博覧会で農林水産大臣賞を受賞した。1973年以来35年ぶりの出品となった「和洋の融合作」は創業60年近い老舗の意欲作。寺尾綾社長(56)は「ピリッとした辛さは、従業員たちが乗り越えてきたつらい時期の結晶。ぜひ味わってほしい」と話している。
同博覧会は約100年前からほぼ4年ごとに開かれており、約1カ月の会期中に90万人以上が訪れた。和洋のさまざまな菓子が展示され、米菓業者の多くが所属する全国米菓工業協同組合からは101点の米菓が出品された。そのうち名誉総裁賞、内閣総理大臣賞に次ぐ農水大臣賞には10点が選ばれた。カレーかきもちは今回、県内で唯一上位三賞に入った。
カレーかきもちは、一口大の硬めの生地と表面にまぶしたカレー粉の辛みが特徴。開発の責任者だった真壁省司さん(62)は「うちの生地は伝統的に個性が強い。味で負けず、なおかつ親しみやすい辛さにするのが難しかった」と話す。
人気バンド「THE ALFEE(アルフィー)」のライブツアーグッズ用に製造を依頼され2005年に開発。ツアー終了後も問い合わせが相次ぐなど好評を博した。パッケージなどを改良し、昨年から独自商品として売り出している。
さくら製菓はパートを含めても約60人という「町工場」。真壁さんは「小さな会社だからこそできた起死回生の策」と振り返る。
開発当時、会社の経営は苦しく、前社長の妻で主婦だった寺尾さんも仕事を手伝っていた。寺尾社長は「大企業も出品した中での受賞はとても励みになった」と喜びを語っている。
約40枚入りで315円。県内の契約和菓子店やスーパー内の名店コーナーなどで販売している。問い合わせはさくら製菓、0254(22)2131。
新潟日報2008年8月13日
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