【ニューデリー=小暮哲夫】日本人男性の依頼でインド人女性が代理出産した女児を日本へ連れて帰れない問題で、インド西部ラジャスタン州の非政府組織(NGO)が、インド政府や州政府を相手取り、日本への出国を禁じるよう求める訴訟をラジャスタン高裁に起こした。
同州で孤児の福祉などに取り組むNGO「サトヤ」が11日に提訴した。女児の日本への出国を禁じ、保護のため同NGOに引き渡すよう求めている。高裁は12日、インド政府と州政府に4週間以内に女児を出廷させ、この問題への対応を説明するよう命じた。
訴状などによると、NGOは、インドには代理出産と生まれた子供の親権に関する法律がないと指摘。その上で、男性が女児に付き添っておらず、卵子提供者も親権を放棄しており、「日本で子供が虐待される可能性が否定できない」と主張している。今回の代理出産自体も「商業目的の違法な取引」と批判した。