権力に対する告発者の死去

ソ連時代に「収容所列島」を書き、勇気ある告発を行ったアレクサンドル・ソルジェニーツィンが死去した。今週のエコノミスト誌は、表紙を飾るトップ記事で、この作家の事を採り上げている。生命の危険をおかしてまで権力悪を告発するということは、生半可な勇気でできることではない。本を出版した結果、ソルジェニーツィンは投獄され、その後国外追放される。だが、大きな意味で、彼の勇気ある行動がソ連邦崩壊を招く一因になったともいえる。

問題は、今日の世界に彼の後継者が存在するのかだ。今のロシアにも、中国にも一定の知識人はいることはいるが、自己の生命の危機を賭してまで告発する勇気のある人間は、残念ながら見当たらない。それだけに、彼は貴重な存在だった。

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