日本陸連大失態！野口サイドと密な連絡取らず森本の補欠登録解除

　北京五輪の女子マラソンは、２人だけで、戦わざるをえなくなった。強豪相手が出そろう五輪で、メダル獲得の大ピンチだ。

　日本陸連は、代表の補欠として、１月の大阪国際女子マラソン２位の森本友（２４）＝天満屋＝を選出していた。森本は、３月に補欠選出された後は、代表選手の故障発生に備え、マラソンを走るための練習は続けてきた。だが、今後の本人のレース計画もあるため、いつまでも補欠の状態を続けておくわけにはいかなかった。

　７月３０日付で、日本陸連は森本の補欠登録を解除。森本は、右足に痛みが出て、調子が上がらなかったこともあり、その後は練習を休んでおり、再開して、五輪に備えることはできなくなっていた。ＪＯＣも「代替手続きは行わないことにしました」と、決定した。

　野口の故障発生は、森本の補欠解除５日前の７月２５日。日本陸連と野口サイドが五輪前の調整最終段階で、連絡を密にとり、発生時と同時期に、森本サイドにも、万が一があることを伝えていれば、違う道が開けていた可能性はある。すべては後の祭りだが、代表枠３人を使い切れないという最悪の事態は避けられたかもしれない。

　エース野口がいなくなり、北京五輪の日本の最大の期待種目の一つだった女子マラソンの結果は、ベテラン土佐とマラソン２回目の中村の双肩に託された。福田富昭・日本選手団団長は「２人で頑張るしかない。金メダルの最有力候補を失うのはきつい」とうめいた。河野匡・陸上コーチは「これから走る選手に期待して最大限のサポートをしたい」。野口の分まで、２人が走ってくれることに期待するしかない。