2008年8月12日 22時52分更新
ヒトの神経細胞どうしの間で、刺激を伝達する際に重要な役割を果たすタンパク質を、岡山大学の研究グループが発見し、記憶や学習の仕組みの解明につながるものと期待されています。
研究を行ったのは、岡山大学大学院の森山芳則・教授らのグループです。
森山教授らのグループでは、記憶や学習に関係する神経伝達物質の一種と考えられていた「アスパラギン酸」に着目し、神経細胞どうしの間でアスパラギン酸をやりとりするための仕組みについて研究を進めました。
その結果、他の細胞にも見られる「シアリン」というタンパク質が、アスパラギン酸のやり取りを調節する重要な働きをしていることが分かりました。
森山教授は、「将来的には記憶や学習のしくみの解明や、認知症などの治療の研究につながる可能性がある」と話しています。
この研究成果は、アメリカの科学雑誌「科学アカデミー紀要」のインターネット版に12日、掲載されます。