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【セキュリティ魂】海外が指摘する“原田ウイルス作成者逮捕”の舞台裏
2008年03月10日10時00分 / 提供:ネットセキュリティ
日本でウイルス作成者が”初めて”逮捕されるという事件は、海外でも広く報道された。英国のThe Registerでは「ウイルス・ライターがコピーライト違反で逮捕」というタイトルで、「P2Pマルウエアの一種を作成・配布した3人の容疑者は、コピーライト違反の容疑で逮捕されており、アル・カポネを脱税容疑で逮捕した事件を思い起こさせる」と書いている。香港のYui Kee Computing のニュースレターは「Pirlamesのトロイの木馬の亜種とされている”Harada”というマルウエアを作成・配布した3人を日本の警察が逮捕した」と報道している。こうしたニュースを受けて、アンチ・ウイルス製品を販売する企業のブログがあちらこちらでコメントしているのを初め、ルーマニアのブログにまでコメントは広がっている。
・The Register
・Yi Kee Computing Newsletter
さて、どの報道でも強調されているのが、日本にはウイルス作成者を取り締まる法律が存在しないため、しかたなくコピーライト違反で逮捕したということだ。先のアル・カポネの脱税容疑逮捕を思い起こさせると言う、The Registerなどが良い例だろう。オーストラリアのThe Sydney Morning Herald紙では、「日本は有害なコンピュータ・プログラムを作成や配布を取り締まる法律の制定に遅れをとっている」と書いているし、The Inquirerでは「京都府警が、(ウイルス作成者を)逮捕できる理由が、コピーライト違反以外見つからなかった」と書いている。
・The Sydney Morning Herald
・The Inquirer
このウイルス作成を取り締まる法律が存在しないという件についてはいろいろ意見が分かれている。先のYui Keeでは、「2004年のAVR2004というコンファレンスで、Takashi Garcia SATO Assistant Director, Superintendent, Cybercrime Division National Police Agency, Japanが行った発表で、日本にはデータに対するダメージで実際に逮捕者を出しているから、それが使えるのではないか?」という指摘もされている。また、Symantecのブログでは、2006年にスパイウエアを使って銀行口座の情報を盗んだ人物が、非権限アクセス法と、コンピュータを使っての横領を取り締まる法律をもとに逮捕されていることを指摘して、「シマンテックの基準によれば、どちらの事件も問題となるのはトロイの木馬の一種のinfostealers(情報窃盗プログラム)で、どちらもスパイウエアではなくマルウエアである。そのため、今回の"Harada virus"の作者の逮捕は必ずしも日本初、というわけでない」という、指摘もしている。
・Symantec blog
どちらにせよ、このウイルスが消去するデータの多くが、Winnyを利用してダウンロードした著作権無視の違法コピーファイルなので、被害者が被害届を出せない、データに対するダメージの法律が使えないなどが、著作権法侵害での逮捕に至った理由だろうと推測されている。また、SophosのGrahm Cluley氏は「この“初の”逮捕によって日本ではウイルス関連法案を強化に賛成の声が集まるだろう」と書いている。
・SophosLabs blog
ブログや記事に集まったユーザーの声の中で、「日本でウイルス法が規定されたら、ソニーも例のルートキットを配布したことで法に触れるのではないか?」といったコメントがいくつもあった。ユーザーが知らない間にユーザーの情報を集めるプログラムということでは同じわけで、未だにソニーのルートキット事件は人々の記憶に新しいということが分かり面白い。
執筆:米国 笠原利香
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・【セキュリティ魂】バックナンバー
・The Register
・Yi Kee Computing Newsletter
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・The Sydney Morning Herald
・The Inquirer
このウイルス作成を取り締まる法律が存在しないという件についてはいろいろ意見が分かれている。先のYui Keeでは、「2004年のAVR2004というコンファレンスで、Takashi Garcia SATO Assistant Director, Superintendent, Cybercrime Division National Police Agency, Japanが行った発表で、日本にはデータに対するダメージで実際に逮捕者を出しているから、それが使えるのではないか?」という指摘もされている。また、Symantecのブログでは、2006年にスパイウエアを使って銀行口座の情報を盗んだ人物が、非権限アクセス法と、コンピュータを使っての横領を取り締まる法律をもとに逮捕されていることを指摘して、「シマンテックの基準によれば、どちらの事件も問題となるのはトロイの木馬の一種のinfostealers(情報窃盗プログラム)で、どちらもスパイウエアではなくマルウエアである。そのため、今回の"Harada virus"の作者の逮捕は必ずしも日本初、というわけでない」という、指摘もしている。
・Symantec blog
どちらにせよ、このウイルスが消去するデータの多くが、Winnyを利用してダウンロードした著作権無視の違法コピーファイルなので、被害者が被害届を出せない、データに対するダメージの法律が使えないなどが、著作権法侵害での逮捕に至った理由だろうと推測されている。また、SophosのGrahm Cluley氏は「この“初の”逮捕によって日本ではウイルス関連法案を強化に賛成の声が集まるだろう」と書いている。
・SophosLabs blog
ブログや記事に集まったユーザーの声の中で、「日本でウイルス法が規定されたら、ソニーも例のルートキットを配布したことで法に触れるのではないか?」といったコメントがいくつもあった。ユーザーが知らない間にユーザーの情報を集めるプログラムということでは同じわけで、未だにソニーのルートキット事件は人々の記憶に新しいということが分かり面白い。
執筆:米国 笠原利香
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