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大雨後の海水浴場は病原菌ウヨウヨ 米国は3割が一時閉鎖、日本は定期検査すらなし
11:14 08/12 2008
 
アメリカの海水浴場汚染を伝えるニューヨークタイムス紙2008年8月1日

 海水浴場での病原菌汚染による胃腸炎などの病気が増えているアメリカでは、週1回以上の定期的な水質検査が実施され、2007年、全米3620の海水浴場の3割を超える1167ヶ所で一時的閉鎖が行われた。海水浴場汚染の一番の原因は、大雨による下水の海への流入だ。だが日本では、環境省が実施する調査が平時に年2回あるだけ。地方自治体でも定期モニタリングはしない。自己防衛のためには「大雨の後の海水浴は避ける」「排水施設の近くでは泳がない」などの注意が必要だ。

【Digest】
◇2年間で2700人が発病、30人が入院、一人死亡
◇全米の海水浴場で、全体の3割が一時閉鎖
◇温暖化の影響で、今後被害は増加する
◇環境省はなぜか年2回の検査だけで安全宣言
◇神奈川県「大雨など最悪の状態での検査データはない」
◇日本でも大雨の後には基準値を超えていた
◇海水浴で健康被害にあわないためには

◇2年間で2700人が発病、30人が入院、一人死亡
 暑い夏には家族連れで海水浴へ行かれる方も多いだろうが、帰ってきてからお腹をこわしたり、皮膚に炎症ができたりなんてことを経験した方はいないだろうか?気づいていないだけで、実は海水浴が原因での中毒が増えているという報告がある。

 アメリカの『USAtoday』紙によると、アメリカ政府の疾病対策予防センター(CDCP)の調査では、2003~2004年で、海水浴場を含む遊泳施設の水による集団中毒が62件発生している。患者総数2696人の内、入院者58名と死亡者1名。その数は年毎に増加している傾向なのだという。

 また2003年のアメリカ環境保護庁(EPA)の研究では、汚水処理施設の排水口が近くにあるビーチでは、泳いだ人の10~14%に胃腸炎が発生しているというのだ。

◇全米の海水浴場で、全体の3割が一時閉鎖
 アメリカでは、2000年に海水浴場の汚染対策としてビーチ法が施行された。海水浴場の水質モニタリング計画として、環境保護庁に年間1000万ドル(約11億円)の予算が下りる。海岸や湖岸に面している30の州が参加して、全国主要な3602ヶ所のビーチの水質を定期的にモニターしている。

 検査結果はEPAに報告されデータベース化される仕組みだ。検査の頻度は、水質汚染の度合いによりさまざまで、毎日検査を行っているところから週1回~5回などの幅がある。

 EPAが定める水質基準を超えていた場合、水質が改善されるまで、ビーチの遊泳禁止措置がとられることになる。


アメリカで水質汚染が原因で一時的閉鎖が実施された海水浴場数。アメリカ環境保護庁(EPA)のデータをもとに作成

 

 2007年には、全海水浴場の32%にあたる1167ヶ所で、水質汚染が原因で閉鎖された。閉鎖の日数は、94%が一週間以内だが、中には1ヶ月を超えるところもある。

 ビーチがオープンしている全日数中の割合でみると、それぞれのビーチのオープン日数を足し合わせた663,164日の約5%の3,602日が閉鎖していることになる。

 つまりほとんどのビーチでは、通常はきれいなのだが、5%くらいの頻度で一時的に水質が基準値を超えるくらい悪化することがあるということだ。

 その原因は何か?
 EPAのパンフレットによると、原因の一番は、下水のオーバーフローだという。特に大雨の後にはオーバーフローを起こしやすく、海水の汚染度は上がる。

 大雨以外では、下水管に流された油脂やトイレットペーパーの塊などが詰まって、マンホールからあふれ出て川から海へ流れ出すといった事故的なケースもあるのだという。

 人や動物の糞便などを含む汚水は、病原性の細菌やウイルスなどであふれている。それが海に流れ込み、海水浴客の口に入ると、下痢や嘔吐、発熱などを伴った胃腸炎などの症状を引き起こす。また皮膚炎や耳鼻口や目などの感染症の原因となることもある。

 通常、症状は比較的軽症ですむが、病原菌の種類によっては赤痢、コレラ、肝炎など深刻な病気につながる可能性もある。特に、免疫の弱い子どもや老人、妊娠中の母親などは発症しやすいため注意を要する。

 EPAは、海水中の細菌数の基準として、疫学調査の結果を元に、海水浴客1万人あたり発症者が19人以下になることをベースに決めている。

 個別の州や海水浴場ごとのデータは公開していないが、ワシントンDCに本拠を持つNPOである天然資源保護協議会(NRDC)は、ホームページで情報公開請求でそれらのデータを開示させ、全国のビーチのデータを比較して、ベスト10、ワースト10などを公表している。

◇温暖化の影響で、今後被害は増加する
 イギリスでは、アメリカのように定期的検査はしていない。しかし2007年に海洋保護協会という団体が、553ヵ所のビーチを調査し、8箇所に1箇所の割合で汚染が発覚した。

 特に大雨によって、下水だけでなく、陸上にたまっている肥料や動物の糞便などの汚染源が雨水と一緒に川から海へ流されることの問題を指摘。さらに今後、温暖化の影響などで局地的豪雨などが増える汚染が増加するといって、政府に対して、対策を検討すべきだと警告している。(以上、タイムス紙2007年8月24日記事

◇環境省はなぜか年2回の検査だけで安全宣言
 では、日本の海水浴場は安全なのだろうか。温暖化現象のためか、日本でも局地的豪雨が増え、汚染の可能性は高まっている.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。




大雨時に汚水の海水流出が多くなる合流式下水道。東京都下水道局の資料より

 

 

 


上:東京都お台場海浜公園での糞便性大腸菌群数の推移と降雨量との関係。東京都資料「お台場で水遊び、しませんか~お台場海浜公園における海域浄化実験のお知らせ~平成14年12月12日」より

下:神奈川県の海水浴場の地図と下水処理施設の地図
神奈川県資料より

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