中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 長野 > 8月13日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【長野】

公立病院の機能分担、連携研究 上伊那地域医療検討会

2008年8月13日

 上伊那地域八市町村や三つの公立病院、県伊那保健所などで組織する「上伊那地域における医療検討会」は十二日、県伊那合同庁舎で開いた。地域医療を確保していく目的で、研究会的な組織を立ち上げ、三病院の機能分担や連携の可能性を検討していくことを決めた。具体的な内容や検討法は三病院事務長会議などで詰めていく。

 検討会では、産科医不足により伊那中央病院(伊那市)を拠点に開業医や助産院、公立病院が健診や出産を担う連携体制の状況が報告された。助産師会は「妊婦健診の血液検査を、産科以外でも受けられる体制になれば、助産院で健診を受けることもできる。検討を」と要望した。

 このほか「(伊那中央の)出産取扱数は限界、産科医が倒れる恐れがある。『里帰り出産』は原則断っているが、住民票を異動させるという抜け道を探るようなことはやめてほしい」「妊婦らが通院に苦労している。バスの利用時間や便数確保に、行政が努力して」などの声もあった。

 公立病院産科医の見通しに対する質問もあった。昭和伊南総合病院(駒ケ根市)は「分べんを再開したいと考えているが、現段階では医師確保は難しい。産科医が開業し、協力を得られることになれば院内助産院は検討する」、伊那中央は「県内医師は信州大が中心になり配置しているが、不安定な状態にあり、今後も現産科医数を維持できるか、確約はできない」と答えた。

 (林康雄)

 

この記事を印刷する

広告