先進国の中でフィンランドは、生徒の学習到達度がトップレベルにある。背景の一つに新聞を活用した教育が盛んなことが指摘されている。そのNIE事情視察に全国十一府県の教師十六人が、二十四日から三十一日まで行く。うち三人は岡山県。旅費は自前だ。
フィンランドは二〇〇三年、OECD(経済協力開発機構)が加盟国の十五歳を対象にした学習到達度を調査した際、読解力では一位だった。日本はといえば十四位。
指導として読解力育成のために多様なテキストに触れることを挙げ、新聞から実際の生活に根差した学びを展開していることも特徴らしい。教師たちは学校や新聞社を訪ねる。
視察団は日本新聞教育文化財団(横浜市)が三年ごとに主催し、全国から希望者を募る。岡山県の三人は県立西大寺高・水田清志教諭、倉敷市立倉敷第一中・横田真智子教頭、岡山大教職大学院生で倉敷西小・廣田巨史教諭。個別に応募したところ、偶然に一緒になった。昨年七月のNIE全国大会岡山大会で発表した人たちだ。
新聞や記者に触れる学習をすることで、授業が活性化する。子どもたちが意欲的になり、社会への目が身につく。そんな例を昨年の大会で確認でき、学習への手ごたえを感じた。大会をきっかけにもっと深めようというのが共通の思いのようだ。
北欧の現場を見て、岡山県の子どもたちのために生かしてほしい。先生方の熱意に感心するとともに、新しい発見と実践に期待している。
(地域活動部・赤田貞治)