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平泉、世界文化遺産への登録「延期」に

 文化庁は23日、日本政府が世界文化遺産への登録を求めていた「平泉の文化的景観」(岩手県)について、登録の可否を勧告する国際記念物遺跡会議(イコモス)から「より綿密な調査が必要で登録を延期すべきだ」との勧告を受けたと発表した。

 勧告は7月にカナダで開かれる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会に伝えられ、同委員会が正式決定する。イコモスの勧告は影響力が大きく、登録は先送りされる可能性が高い。ただ、昨年世界遺産に登録された石見銀山(島根県)は当初登録延期勧告を受けたが、委員会での本決定時点で逆転しており、文化庁は「あきらめずに委員会に向けて説明を続ける」(記念物課)としている。

 奥州藤原氏が統治拠点として12世紀に独自に築いた平泉の遺跡群は、中尊寺金色堂や旧観自在王院庭園など仏教寺院や浄土庭園からなり、周辺の豊かな自然環境とあわせて「浄土の世界を具現化した日本独特の空間造形」(岩手県教育委員会)とされる。政府は2006年12月に世界遺産委員会に推薦書を提出していた。 (09:37)

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