甲子園を取材するために関西に入って1週間。「追っかけも大変だね」とある選手の母から言われ、なるほどと思った。選手取材は紛れもなく「追っかけ」。練習について行き、宿舎に押しかけ、食事後に選手が出て来るのを待ち、時間制限ギリギリの中で選手から話を聞いている。
青森山田の選手は皆、本当に謙虚で素直だ。多くは親元を離れ、ほとんど外出することもなく、朝から晩まで野球にかけている。地方出身の選手たちはねぶた祭すら一度も見たことがないという。ストイックな姿には本当に頭が下がる。
青春のすべてを野球に費やすナインは「追っかけ」たくなるほどかっこよく、魅力的だ。その「追っかけ」を続けるためにも、このままどんどん勝ち進んでもらい、すてきな姿を見続けたい。(久)
毎日新聞 2008年8月12日 地方版