医療や保健、看護など医系の学生の学びの場、第51回全国医学生ゼミナール(毎日新聞前橋支局など後援)が11日、始まった。14日まで前橋市千代田町の市中央公民館や同市日吉町の県民会館で分科会や講演が開かれ、学生のほか一般の人も当日参加できる。
同ゼミは全国の医系学生らが企画、運営する自主勉強会。今回は4年ぶりの県内開催で、「海外からの看護師導入」や「離島医療の現状と課題」など約45の分科会を設けた。
初日は財政破綻(はたん)した北海道夕張市の市立総合病院再建に奮闘した医師、村上智彦氏が「地域医療再生への取り組みと課題~明日の医療を担う若者へ~」と題して講演。医師不足など医療現場の危機的状況を改善するには、地域住民の意識改革が必要と力説。安易に深夜の救急外来や救急車を利用する患者を厳しく注意した結果、病院の「コンビニ利用」が減り、本当に救急医療が必要な患者に対応できて死者を減らせたことなどを報告した。
12日午後2時からはがん医療を巡るシンポジウムを開催。群馬大医学部付属病院が導入した最先端医療の重粒子線治療の研究者、緩和ケアに取り組む医師、さらに、がんの闘病経験を持つ患者の3者がパネリストとして登壇する。
参加料は1日につき学生1000円、一般1500円、高校生500円。問い合わせは同ゼミ実行委(070・6451・9113)へ。【鈴木敦子】
毎日新聞 2008年8月12日 地方版