520人が犠牲になった85年の日本航空ジャンボ機墜落事故から23年を迎えた12日、事故現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に早朝から遺族らが慰霊登山に訪れた。墓標に花を供え、安全への祈りをささげた。
今年4月、尾根に続く村道が土砂崩れで通行止めとなり、一時は慰霊登山の実施が危ぶまれた。土砂崩れ現場を仮歩道で迂回(うかい)し、前後をバスで乗り継ぐことで、登山にこぎ着けた。
娘2人を亡くした堺市の山岡清子さん(61)は「少し雨が降ったので心配したが登山できてほっとした」。2人が好きだった果物などを携え、晴れ上がった尾根に向かった。
日航によると、今年の慰霊登山者は正午現在で64家族223人。
ふもとの「慰霊の園」では同日夕、追悼慰霊式が営まれる。群馬県知事として初めて大澤正明知事が参列し、事故が起きた午後6時56分に合わせ、520本のろうそくに灯をともし、冥福を祈る。【畑広志、杉山順平】
毎日新聞 2008年8月12日 東京夕刊