長野県内のニュース

フロント > 県内ニュース一覧 > 記事詳細

ベラルーシの医師研修 県立子ども病院が前向き姿勢

8月12日(火)

 チェルノブイリ原発事故の放射能汚染地ベラルーシへの医療支援を続けるNPO法人「チェルノブイリ医療基金」(松本市)は、8月初めまで現地の医療機関を視察し、同国から日本の医療機関による現地の医師の研修を求められた。同国側は、同基金の仲介で一昨年も医師を受け入れた県立こども病院(安曇野市)に要請。宮坂勝之院長は受け入れに前向きで、「小児科や産科のチーム医療を学んでほしい」としている。

 7月25日−8月2日、同基金の理事2人と、同病院新生児科の医師2人が視察。高濃度の放射能汚染地域を広く抱えるゴメリ州のほか、首都ミンスクの小児科、産科の病院を訪れ、医師らから現地の医療事情などの説明を受けた。

 同行したこども病院新生児科部長の中村友彦医師(49)によると、現地では超音波診断装置などの医療設備は整っているが、業務が細分化し、医師同士の連携が不十分だったという。中村医師は「小児科医が主体的に患者を診ておらず、現地の医師もうまく対応できていないと感じていた」と話している。

 一行は同国保健省を訪問した際、副大臣から文書で日本での医師受け入れのほか、日本と現地の大学同士の交流や日本の医療機器メーカーによる技術協力などの要請を受けた。団長を務めた同基金の千原幹司理事(59)は「今後は、医療機器をうまく活用できる人材育成などの支援をしていきたい」としている。