【北京・浦松丈二】新華社通信によると、中国新疆ウイグル自治区クチャ県で10日未明、武装集団が手製爆弾を使って県公安局などを襲撃した。爆発は12回起き、警察が応戦した結果、容疑者10人を含む11人が死亡、市民ら5人が負傷した。北京五輪の開幕後、当局を狙った襲撃事件が発生したのは初めて。
同自治区では4日にカシュガルで32人が死傷するテロ事件が起きた。五輪妨害を狙ったテロの可能性もある。
最初の爆発は10日午前2時(日本時間同3時)ごろ、飲食店近くで起きた。午前2時半ごろには、武装集団が三輪自動車で県公安局の敷地内に突っ込み、手製爆弾を爆発させた。地元政府庁舎やホテルも襲撃された。
一連の爆発で警備員1人が死亡し、警官2人と市民2人、警備員1人が負傷した。武装集団のうち8人が警察に射殺され、2人が自爆で死亡した。
現地からの情報によると、クチャで取材していた日本人記者3人が10日夜、地元当局に拘束された。時事通信社によるとうち2人は同社の記者とカメラマン、産経新聞社によるともう1人は同社中国総局の記者で、暴行は受けず、約1時間半後に解放されたという。
毎日新聞 2008年8月11日 東京朝刊