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約6割の医療機関で減収−厚労省予測と乖離

 4月の診療報酬改定で、医師が再診時に算定できる「外来管理加算」に“5分ルール”が導入されたことで、約6割の診療所と約7割の中小病院が減収などの影響を受けていることが、神奈川県保険医協会の調査で明らかになった。厚生労働省は当初、5分ルールの影響を受ける医療機関は1割程度と想定しており、同協会では「厚労省の影響予測と医療現場の実態は大幅に乖離(かいり)している。今回の改定は、病院勤務医対策が柱の一つだったが、逆の結果になっている」などと批判、5分ルールの撤回を求めている。

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 調査は、同協会の会員となっている神奈川県内の2826の診療所と181の中小病院(200床未満)を対象に実施。回答があった388診療所と38病院について、外来管理加算や再診料、医療機関が医療費の保険負担分の支払いを公的機関に請求するために発行する「レセプト(診療報酬請求明細書)」の枚数における5分ルールの影響を調べた。

 中小病院では、診療報酬の4月請求分について対前年同月比で実態を把握。72.8%の病院で外来管理加算の「算定率(再診時に外来管理加算を算定できた割合)」が減少するなどの影響を受けていることが分かった。平均の減収額は約336万円で、中には約1650万円に及ぶ病院もあった。

 診療所では、4月請求分の対前月比で把握した。58.4%の診療所で算定率などが減少。平均減収額は約163万円で、ある内科では2300万円超の大幅な減収となっていた。
 診療科別に見ると、眼科が80.0%、耳鼻咽喉科が75.0%、皮膚科が50.3%と、算定率の減少率が50%を超えている。
 また、レセプトの枚数(患者数)、再診料の算定回数(診察回数)のいずれかが10%以上の減少となっている診療所が29.3%に上っており、同協会では「診療所が、“5分ルール”導入以前のように、患者数や診療回数を確保できなくなっている。時間要件に縛られて、患者を十分に診られなくなってきている」としている。

 5分ルールについては、中小病院の86.8%、診療所の90.2%が「反対」と回答。
 具体的な意見では、「時間に関係なく、診療に集中したい」や「医療の質は時間で評価できない」、「時間という一つの物差しのみの評価で不愉快」など、時間要件(5分ルール)についての根本的な疑問のほか、「労働時間が大幅に増加し、過労状態」と現場の混乱を訴える声も寄せられた。

【外来管理加算の“5分ルール”】
 今年4月の診療報酬改定で、外来管理加算の算定要件として「おおむね5分を超える診察」などが加えられた。同加算(52点、1点は10円)は、診療所と200床未満の病院で、外来での再診の際、処置や検査、リハビリ、精神科療法などがなく、診察、指導、投薬のみであった場合、医師が再診料(診療所71点、病院60点)に加えて算定できる。


更新:2008/08/12 14:18   キャリアブレイン


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