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足止めされた一般客。右車線はレース関係車両のための優先道路だが、
トヨタ関連の招待客を乗せたバスが次々に通り抜けた。

 昨年9月のF1日本グランプリを訪れた延23万人の観客のうち、130人余りが「被害者の会」を結成し、レースの主催者である富士スピードウェイ(株)(以下、FSW)を相手取って、6月中旬にも訴訟に踏み切ることになった。チケット代の全額返還と、慰謝料の支払いを求めるという。

「去年のGPは、FSWの用意したバスでしか入場できないというシステムだった。それなのに、予定時間を過ぎてもバスが来ない。報道では2時間待ちなんて言ってましたけど、私たちは少なくとも4~5時間は待たされました」(「被害者の会」発起人A氏)

 レース当日、混乱でレースに間に合わなかった観客が出たことはFSW側も認めており、観客86人に対してチケット代などの払い戻しを行ったと発表している。だが、A氏によればこの「86人」という数字こそ欺瞞だという。

「86人なんて冗談じゃないですよ。スタート時、観客席に座っているのと同じくらいの数の人がサーキットの外をさまよっていたんですから」(同)

 そもそも、なぜこれほど大きな混乱が起こったのか?

「FSW側にF1開催のノウハウがなかったことがすべてです。ある意味で、昨年の富士は“実験的”なグランプリになってしまった」(東京中日スポーツF1担当デスク・明村馨氏)

 関係者の間では、F1主催経験豊富な鈴鹿(ホンダ)が協力を申し出たものの、FSW(トヨタ)がメンツから断ったという話も出ているそうだ。

 弁護団のひとり、内山浩人弁護士に訴訟の見通しを聞いた。

「これだけ多くの観客が一斉に訴訟を起こすケースは過去に例がなく、現時点で見通しを述べることは難しいですが、被害が発生していることは誰の目にも明らか。訴訟では、FSW側の責任を追及していくことになります」

 被告となったFSWと親会社のトヨタは、共にノーコメント。トヨタ関連の問題だけに、大手マスコミも例によって沈黙しているが……。
「サイゾー」7月号より)


F1 Grand Prix 2008 vol.1 [Rd.1-6]


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2008.06.18 水 | 固定リンク
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