MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【お産難民を救え 助産師はいま】(4)母としての自覚 (1/2ページ)

2008.8.12 07:12

 ■他人まかせでは産めない

 白木の小箱にわが子を納め、女性は病室で手を合わせた。妊娠5カ月で陣痛がきてしまい、出産する予定だった助産所から嘱託医のいる産婦人科に駆け込んだ。ところが、「うちではどうしようもない」と言われ、別の病院へ回された末の死産だった。「早く何とかして!」という叫びは、届かなかった。

 大阪府のこの女性は13年前の体験を思いだすと今も涙がこぼれそうになる。嘱託医は長らくお産を扱っていなかった老医師だった。退院後、女性は「あの医者では嘱託医の意味がない」と助産所に告げた。親身になってくれた助産所を恨んではいなかった。しかし、言わなければ同じ悲劇が繰り返される。助産所は別の医師と契約し直したという。

 自分のお産をめぐって、女性が産科医や助産師に意見を伝えるには勇気がいる。それでも声を発することが、お産を変えるきっかけになる。そのことを象徴するようなイベントが2年前にあった。横浜市の熊手麻紀子さん(40)が呼びかけた「どうする? 日本のお産ディスカッション大会」。この年は奈良県内の妊婦が19病院に受け入れを拒否され死亡した事故や、福島県内の産婦人科医が帝王切開で妊婦を死なせたとして逮捕された事件が相次いで起き、産科医療の危機が叫ばれた年だった。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。