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新世紀のビッグブラザーへ blog

一言メッセージ：中小企業診断士兼作家、三橋貴明のホームページ「新世紀のビッグブラザーへ」のブログです。

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2008年8月10日

2008年8月9日 | 2008年8月11日

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毎日変態新聞倒産への道　その２（後編）

傑作(4)

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http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/14862067.html
　毎日変態新聞倒産への道　その２（前編）からの続きです。

　さて、前編の冒頭に述べたように、「割合で見る（絶対額では見ない）」だけではなく、「過去数年分の流れを見る」も重要ですので、ここ数年間の各指標の推移はどうなのか、まとめて見てみましょう。

第二十九期　
Ⅰ.　収益性
　(1)　売上高対純利益率　0.12%
　(2)　株主資本利益率　2.53%
　(3)　売上高対販管比率　39.9%
Ⅱ.　安全性
　(1)　流動比率　62.7%
　(2)　当座比率　42.2%
Ⅲ.　効率性
　(1)　総資本対経常利益率　0.31%
　(2)　総資本（総資産）回転率　0.89回転
　(3)　自己資本（純資産）対利益率　0.81%

第三十期
Ⅰ.　収益性
　(1)　売上高対純利益率　0.18%
　(2)　株主資本利益率　3.77%
　(3)　売上高対販管比率　42.1%
Ⅱ.　安全性
　(1)　流動比率　65.3%
　(2)　当座比率　43.4%
Ⅲ.　効率性
　(1)　総資本対経常利益率　0.79%
　(2)　総資本（総資産）回転率　0.88回転
　(3)　自己資本（純資産）対利益率　1.25%

第三十一期
Ⅰ.　収益性
　(1)　売上高対純利益率　0.12%
　(2)　株主資本利益率　2.3%
　(3)　売上高対販管比率　42.1%
Ⅱ.　安全性
　(1)　流動比率　76.1%
　(2)　当座比率　49.8%
Ⅲ.　効率性
　(1)　総資本対経常利益率　1.3%
　(2)　総資本（総資産）回転率　0.88回転
　(3)　自己資本（純資産）対利益率　0.8%

　ざっと流れを見ると、第三十期から三十一期に掛け、安全性は（これでも）改善が見られます。この理由ですが、第三十期から三十一期に掛けて短期借入金を半減させたからです。
　また、二十九期から三十一期に掛け、経常利益は改善が見れるものの（538⇒1375⇒2161）、純利益は（180⇒282⇒177）と、三十一期が最も低くなってしまっています。（指標からもその事実が読み取れるのが、お分かりいただけるかな？）
　経常利益改善の原因としては、二十九期から三十一期に掛け、営業利益が改善したことが理由に挙げられます。、売上自体は（152,540⇒151,941⇒148,748）と順調に下落しているにも関わらず、なぜ営業利益が改善したかというと、販管費が（60,926⇒64,039⇒60,011）、売上高対販管比率が（39.9%⇒42.1%⇒40.3%）と、共に三十期をピークに減っていることが主因です。もしかしたら、押し紙は三十期をピークに減り始めているのかも知れません。
　また、経常利益が改善しているにも関わらず、純利益が減り続けているのは、二十九期が「投資有価証券売却益」、三十期が「固定資産圧縮特別勘定」という特別利益により、この二期について純利益が嵩上げされたのが原因です。三十一期は、もはや嵩上げ要因が無く、純利益が（180⇒282⇒177）と落ち込んでしまったわけです。

　まとめますと、毎日変態新聞はここ数年間で、
■短期借入金を返済したことにより安全性の改善は見られる
■ここ数年、有価証券（株式など）売却や固定資産圧縮特別勘定（不動産の売却など？）で嵩上げしていた利益について、もはや嵩上げ要因が無くなってしまい、収益性は悪化している
■販管費の圧縮により、経常利益に改善は見られるものの、これが何に起因するものなのかは不明（押し紙の減少という、推測はできますが）
■売上高については、順調に下落中
　といったところです。
　いやあ、お先真っ暗な企業ですねｗ　正直、経営が悪化しているとは予想していましたが、各指標がここまで悪いとは驚きました。
　これは、別に今回の変態報道の騒ぎが無かったとしても、近い内に倒産は免れなかった気が強く致します。
　が、もしかしたらこの異常な数値も、新聞業界では標準かも知れませんので、次回は他社と比較してみたいと思います。

　しかし、もしも変態新聞社の「販売直接費」が押し紙の費用だとしたら（あまりにも巨額なので）、押し紙を全廃してシェアが激減するのを甘受すれば、利益率が改善して却って生き残れるのではないでしょうか。あ、あまりにも酷い指標にショックを受けて、まともなコンサルチックな事を書いてしまった　orz

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コメント（17）

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毎日変態新聞倒産への道その１
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/14373152.html

＞一般の企業診断の場合は、分析した後に企業を改善するための
＞コンサルティングフェースに入るのですが、もちろん毎日変態新聞
＞にそんなことする気は毛頭ありません。

普通にコンサルティングしているような気が…
コンサル料まる儲けですねｗ毎日新聞ラッキー♪

もっともこの辺りは購買層に知られたくないでしょうし、
収益性の悪さの原因は経営者から社員までも気づいているでしょうが。

問題は対策を教えてもどの道、実行できないと言う点でしょうね。
毎日が健全化できるのなら韓国も健全化は可能ということかもしれません。

2008/8/10(日) 午後 10:06 [ chinafreetibet ]

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わかりやすいエントリーありがとうございます！
就職したくなるような会社ではないですねー。
たこが足を食べ始めてるって感じでしょうか？あんな変態新聞に例えたらたこが激怒しそうですが。。。

2008/8/10(日) 午後 10:48 [ WHITE ]

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そうです。倒産ではなくて廃業でなければいけません。
一度倒産したあともでたらめな事を行っているわけですから。
二度目の倒産で復活なんて許せません。

あくまで廃業で毎日は消滅。が未来図でありますように。

2008/8/10(日) 午後 10:52 [ wavefx_701 ]

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そういえば毎日は以前、新聞の配送方法を変更して配達時間が遅くなったって話を聞いたような。。
ひょっとしたら販管費の圧縮の要因になってるかもしれません。

2008/8/10(日) 午後 10:57 [ tarabonta ]

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31期については、いろいろ無茶なコストカットやったみたいですね。

>2008年2月18日毎日新聞運送業者生存権求め抗議

>毎日新聞社は昨年の１２月末より、新聞配送のコストカットを目的に、
>運送業者再選定の入札を行っている。
ttp://www.harinw.com/2008-02-18news-mainichi.html

けっこう足回りはもうぐだぐだなんでしょうね。もし噂通り広告収入に9桁の損害が出ているとしたら…もう既に…。

2008/8/10(日) 午後 11:03 [ ちびくろ参謀 ]

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>新聞業界では標準かも知れませんので、次回は他社と比較してみたいと思います。
その点は気になっていましたのでうれしいです。
ど素人目線でみれば系列だけで考えれば朝日と読売と日経ははキー局株式を保有してる。
産経は生まれた頃からフジテレビの子会社ですからフジが廃刊か売却でもしない限り生き残りそうですけど
毎日は西山事件で潰れかけた時にＴＢＳやＭＢＳ株を手放してるので後ろ盾になってくれるような所は今の所見当たりません、聖教新聞の印刷を委託している創価学会が、という考え方も出来ますがあくまで委託な上に読売やブロック紙にも委託の分散を行っているようなので毎日が無くなろうと困りはしないでしょう。
事業だけなら不動産とスポニチ、あとは印刷業に絞れば収益が改善するではと思ったりもしましたが借り入れの関係で下手な事業縮小は出来ないのかなと推察しています。

2008/8/10(日) 午後 11:08 [ 竹 ]

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ただ疑問なのは何故(あくまで単体で見れば)この会社が保護たりうるのかと言う点です。はっきりいってハゲタカですら餌を選びます。もっといえば投資対象として失格です。今回の事件でブランド力も低下しますから｢のれん｣も期待で来ませんし。

2008/8/11(月) 午前 0:28 [ 名無し係長 ]

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＞コンサル料まる儲けですねｗ毎日新聞ラッキー♪
「タダより高いものは無い｣ってばっちゃが（ｒｙ

ハゲタカの餌にすらならない状態でも､木に吊るして立たせる連中が居るって事かな。
一応は大手新聞社､紙面を安く買い叩けるなら便利そうではあります。

いよいよとなって､綺麗に切れる事まで考えると､私なら目立たない方が得だと考えるが…。

2008/8/11(月) 午前 2:06 [ α145Q4 ]

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一応、説明を試みます。新聞社は販売と広告が利益の２本柱といいますが、これは全くの嘘です。新聞購読料金×読者数の売り上げ（販売収入）はいったん本社に計上されますが、販売店を維持するためにその売り上げ全てが販売店・販促経費に回されます。それでも足りなくて広告売り上げから相当額、振り替えてまで販売網を維持している訳です。これが「売上高対販管比率 42.1%」の正体です。

何故、毎日の売上高対販管比率が近年落ちているか？一番考えられるのは広告収入が減り、販売に回す余裕が無くなっているという事かな？

実質的に唯一の利益源である広告売り上げ／利益が減少した場合、ありとあらゆる経費削減を行わざるを得ないと思います。それが売上高対販管比率の低下にも現れていると考えます。

やはりメディアを潰すには広告主への抗議活動が一番だと思います。

2008/8/11(月) 午前 7:18 [ tshirouto999 ]

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PEファンドのみなさ～ん！いいカモがありますよ！ｗｗｗｗ

2008/8/11(月) 午前 7:20 [ 俵Jrカワイソス ]

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≪あまりにも巨額な「販売直接費」≫は、押し紙の費用だけでは無いと思います。

小生の知り合いに新聞販売店経営者が居ますが、販売直接費の多くは商品券や石鹸などの｢えさ｣だそうです。｢えさ｣が無いと拡販できないと嘆いていました。

｢押し紙｣については、毎日1000万部くらい、販売部数全体の約2割に達するといわれています。それで販売部数を偽り、広告料を高く設定しているのです。偽造が、記事だけでは無いことは、まさに反社会的存在だというべきでしょう。

2008/8/11(月) 午前 8:58 [ 経営者 ]

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初歩な質問ですみませんが｢押し紙｣って広告費稼ぐための水増し→廃棄分ですよね。それは特別損益に入るのでは？

2008/8/11(月) 午前 11:08 [ 名無し係長 ]

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押し紙は表向きは過剰在庫の処分なので、営業「内」損失、つまり販管費に計上されると思います。（簿記に詳しい方で、確実なことが分かる方がいらっしゃいましたら教えてください。）
特別損益は、不動産売却などの「特別（毎年は起きない」な数値を計上するものなので、押し紙費用を突っ込むのは無理だと思います。（特別損失を見る限り、それっぽいのは無いですね）

2008/8/11(月) 午後 0:17 [ tak**kimit*uh*shi ]

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三橋様、いつも楽しく拝見させていただいております。

>押し紙は表向きは過剰在庫の処分なので、営業「内」損失、つまり販管費に計上されると思います。

押紙の件ですが、新聞社には在庫は残らないと思いますよ。予備の紙以外は全て販売店への売上に計上されていると思います。あくまで販売店の注文による売上です。
そして、基数(わけのわからない新聞社が適当に決めた数字)を超えた分に1部当りの補助金が付く。これは売上割戻し(リベート)に当り、売上高の控除項目になります。
また、期日までに納金を済ませると完納奨励金というものがあります。これは割引(ディスカウント)に当るため、営業外費用となります。
よってその他の補助金が販売促進費として計上されているのではないでしょうか。

続く・・・・・・・

2008/8/11(月) 午後 2:25 [ 遊び人の金さん ]

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ところで、三橋様は新聞社の請求書をご覧になられたことはございますか? 複雑怪奇な補助金がてんこ盛りです。担当社員のさじ加減ひとつで決まります。私は、2社ほどの請求書を見たことがありますが(全国紙1社と地方紙1社)、ほぼどの社の補助金の項目名も似たり寄ったりです。
主なものは、経営補助、店員補助、逓送補助、等々。その他、物品の購入のための補助(ビール券、テレビなどなんでもあり)。このうち何処までが販売促進費に計上されるのかはわかりませんが、補助金ほとんど全部ではないでしょうか(あくまでも推測)。この補助金を損益計算書で処理するところはほかにないと思います。(もしお気づきの方があればご教授ください)
つまり、新聞社には在庫はない。押紙は返品が出来ないから押紙なのであり、もし返品が出来れば売上戻りとなり、売上高からの控除項目となります。まあ、在庫は新聞社ではなく販売店に持たせる仕組みですね。しかも、廃棄決定済みの在庫をね。その分(さじ加減ひとつで決まる)補助金で補填するというのが新聞社の統治の仕方。
続く・・・・・・・・・・・・・

2008/8/11(月) 午後 2:27 [ 遊び人の金さん ]

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私は九州に住んでいますが、2年ほど前に知り合いから聞いた話です。毎日新聞の担当社員は携帯電話だけで仕事をしているということです。つまり、1県を一人で管理しているということです。事務所もなし、もちろん事務員もなし、あるのは携帯電話一本。(笑)ちなみに、売国新聞の誉れ高き全国紙は、各県に販売会社を作り、事務局長以下経理担当社員、事務員、そして営業社員総勢数十人を担当社員が束ねています。(土地も社屋も自前です)
以上、販売管理費の内訳(推測)と変態新聞の情けなーい販売体制の情報でした。
三橋様、これからもご活躍期待しております。
長い投稿失礼致しました。<m(__)m>

2008/8/11(月) 午後 2:31 [ 遊び人の金さん ]

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レスありがとうございます。自分はどうも｢商品評価損｣と認識していたもので。しかしあえて書きますと販管費は原価要素であり原価の定義は、企業活動に置いて｢正常｣に消費(費消)された財、または用役とありますが押し紙って｢正常｣と言えるのでしょうか。

2008/8/11(月) 午後 4:46 [ 名無し係長 ]

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この記事のURL: http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/14862358.html

毎日変態新聞倒産への道　その２（前編）

傑作(3)

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　前回の予告通り、毎日変態新聞の財務分析を中心に、同社について理解を深め、どうすれば廃業時期を早められるかのコンサルティングを開始いたします。（今回だけでは終わりません）長くなってしまったので、本日は二本立てでお送りいたします。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_11.html#BSPL31

　まずは毎日変態新聞の最新（第三十一期）の単体決算における貸借対照表、損益計算書を掲載いたしましたので、この数字を眺めながら以降についてお読みください。
　診断士が企業を分析する際の原則について、これまで何度か触れてきましたが、覚えていらっしゃるでしょうか。

■　割合で見る（絶対額では見ない）
■　過去数年分の流れを見る
■　同業他社や業界標準と比べる

　この三つを確実に実行し、異常値についてブレイクダウンすることで、その企業の問題を洗い出すことができます。
　まずは手始めに「割合を見る」を活用し、幾つかの指標を計算して見ましょう。

Ⅰ.　収益性
　(1)　売上高対純利益率　177÷148,748 x 100%=0.12%
　(2)　株主資本利益率　177÷7,673 x 100%=2.3%
　(3)　売上高対販管比率　60,011÷148,748 x 100%=40.3%

　・・・・なんじゃこりゃ？　千四百億を超える売上で、純利益が1億七千万円とはｗ
　毎日変態新聞社の収益性は、異常に低いです。どのくらい低いかと言えば、この企業に投資するくらいなら「日本国債を買った方がマシ」なレベルです。
　非上場企業だから許されていますが、上場企業でこんな数値を叩き出したら、経営者は即、解雇でしょう。
　驚きました。売上高対純利益率が1%を切っている企業など、存続させるだけ資源の無駄遣いに思えます。
　収益性を下げている最大の要因は何でしょうか。損益計算書を見ると、異常に大きな販管費が問題である事が即座に分かりますので、売上高対販管比率も出してみました。販管費が売上高の四割に達しているって、これはかなり凄いことです（悪い意味で）。
　この販管費の中身ですが、（損益計算書関係　注記事項）を見ると、以下の通りとなっています。
■　販売費と一般管理費のおおよその割合は、販売費が87.2%に対し、一般管理費が12.8%
■　主な費用項目は以下の通り
　・販売直接費　38,962百万円
　・給料手当　　10,172百万円
　・以下、額が小さいので省略
　要は、この「販売直接費」が異常にでかく、対売上高比で26%を占めており、収益性を下げる主因になっているわけです。
　それでは果たして販売直接費とは何か、ということになるのですが、これは本コンサルを進めていく内に、おいおい分かってくるでしょう。皆さんのご想像通り、押し紙の費用かもしれませんし、そうでないかもしれません。今のところは「不明」として置いておきましょう。
　次回以降、他の新聞社ではどうなのか、他社と比較していく内に分かってくるのではないかと予想しております。
　
Ⅱ.　安全性
　(1)　流動比率：企業が持つ流動資産と流動負債を比較し、数値が高ければ短期的な支払いを行いやすく、低いと短期支払いにも長期の借り入れが必要になる。
　　流動比率＝流動資産÷流動負債 x 100%=30,548÷40,143 x 100%=76.1%
　　･･･100%切っている　orz　これは「一年以内に現金化できる資産」で「一年以内に返済必要な負債」を返せない事を意味しています。この意味、分かりますよね。毎日変態新聞は、新たな借入を行わないことには、短期の債務を返済できない状況にあるということです。
　流動比率は、即現金化が難しい原材料なども返済原資としてみるので、ちと甘いです。より現実的な安全性を見るときは、流動比率ではなく当座比率を見ます。
　(2)　当座比率：当座資産（現金、預金、受取手形、売掛金、一時所有の有価証券など）で、短期的な支払能力をみる指標。100％以上であることが望ましい。
　　当座比率＝当座資産÷流動負債 x 100%=19,983÷40,143 x 100%=49.8%
　毎日変態新聞は、当座に現金化できる資産では、短期債務の半分しか返済できないことになります。

Ⅲ.　効率性
　(1)　総資本対経常利益率　2,161÷167,432 x 100%=1.3%
　(2)　総資本（総資産）回転率　148,748÷167,432=0.88回転
　(3)　自己資本（純資産）対利益率　177÷20,399 x 100%=0.8%

　もうね･･･。売上少なすぎ、資本の効率性低すぎ、自己資本に対する利益の額が少なすぎ。一言で言って、効率性が最悪。少しは怒れよ、株主！
（後編に続く）
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/14862358.html

　
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