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米国産牛肉:米国でO-157感染、相次ぐリコール

韓国政府が説明要求、米政府からはまだ回答なし

 米国で牛ひき肉がO‐157に感染した疑いから大規模なリコールが行われた。

 現地時間の今月9日に米国農務省が発表した内容によると、韓国にも牛肉を輸出するネブラスカ・ビーフ社がO‐157に感染した牛ひき肉2400トンのリコールを行い、それから1カ月後にも再び感染騒ぎが起こり、540トンを再リコールしたという。ネブラスカ・ビーフ社製のひき肉が原因で、カリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージーなど12の州やカナダなどで食中毒が30件以上発生したとのことだ。同社の牛肉は米国の有機栽培農作物専門店のホール・フード社が販売していたことが確認されている。

 またバージニア州でも70人以上の食中毒患者が発生したことから、原因とみられる肉を加工したS&Sフーズ社も69トンの生肉をリコールした、とカリフォルニアのパサデナ・スター・ニュースがこの日付けで報じた。リコールされた牛肉はO‐157 に感染したものと推定されている。

 米国全域で食中毒による牛肉のリコールが相次いで発生している中、とりわけネブラスカ・ビーフ社は現在、米国国内で韓国向けとして承認された30カ所の食肉処理場の一つでもあることで問題となっている。

 米国の検疫当局は、韓国農林水産部からの説明要求に対して20日以上何の回答も寄せておらず、韓国向け牛肉の食肉処理場に関する連絡義務を怠っているとの批判が相次いでいる。米国産牛肉の輸入衛生条件第7条には、「韓国向け輸出肉類に関する作業で重大な違反が発生した場合、米国食品安全検査局(FSIS)は違反記録を公表する。また製品の流通規制や食肉処理場で作業の中断や改善が行われた場合には、これを韓国政府に連絡する」と明記されている。

 この問題について農水部の関係者は、「通常リコール調査には多くの時間がかかるため、調査がある程度進展してから回答を送ってくるはずだ。輸入衛生条件第7条には連絡の期限について記載されておらず、現時点でまだ回答がないからといって米国側がこれに違反したと判断するのは難しい」と述べた。

 米国では食中毒による牛肉のリコールが年平均で50件以上発生しており、今年に入ってからも先月までの時点で27件のリコールが行われている。O‐157とは食中毒を引き起こす病原性大腸菌で、高齢者や子供が感染した場合には死亡する可能性もある。調理の際に72度以上で加熱すれば食中毒は防ぐことができる。

クム・ウォンソプ記者

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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