【ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構(NATO)のデホープスヘッフェル事務総長は11日、グルジア情勢について「ロシアが武力を過度に行使し、グルジアの領土の一体性を尊重していないことを憂慮する」との声明を出し、ロシア軍の攻撃を批判した。
さらにNATO報道官は、ロシア軍が南オセチア自治州に駐留する平和維持軍としての行動範囲を逸脱していると判断。ロシアに対して「空爆、ミサイル攻撃を含む軍事作戦」の停止を求めた。
グルジアの将来のNATO加盟にロシアが反対している事情も考慮し、NATOはこれまでロシア、グルジアの双方に即時停戦を促し、表立ったロシア批判を控えてきた。だが、グルジアの停戦通告後もロシア軍が攻撃を続けているため、批判に転じたとみられる。
NATOは12日、加盟国大使会合を開き、グルジアのツケシェラシビリ外相から現地情勢について報告を受ける。サーカシビリ・グルジア大統領は10日、NATOと国連に「ロシアの侵略」を止めるよう求めていた。
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