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被災地の血栓発生、なお高率
中越沖地震で被災した柏崎市の2カ所で10日、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓(そくせん)症)の予防検査が行われた。同症候群の原因となる血栓の発生率が、地震発生1年を経過しても被災地以外に比べ高率だったことが分かった。
検査は、県内の医師や技師らでつくる同症候群予防検査支援会と県、同市が実施。被災者の足にエコーを当て血栓の有無を調べ、血液検査で血栓ができやすい体質かどうかなどをみた。
その結果、受診者269人(平均年齢67・8歳)のうち、約5・2%の14人に血栓が見つかった。地震直後の昨年7月に行った同様の調査で約4・9%、11月調査では約6・3%だった。被災地外との比較検討のため実施した阿賀町での調査(2006年)では1・8%だった。
診察した新潟大大学院の榛沢(はんざわ)和彦医師(呼吸循環外科)は「今回見つかった血栓に緊急度の高いものはなかった。地震後にできた血栓を治療せず慢性化したケースが多いと考えられる」と分析。病院の受診や弾力ストッキングの使用を勧めた。
検査で血栓が見つかった同市長浜町の主婦(70)は「これまで無関心でいたので驚いた。気をつけて運動を心がけたい」と話した。
新潟日報2008年8月11日
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