人事院は11日、国家公務員一般職の08年度給与について、月給、期末・勤勉手当(ボーナス)ともに現行水準のまま据え置くよう国会と内閣に勧告した。給与改定見送りは06年度以来2年ぶり。ただ、医師不足に対応するため、国の医療機関で働く医師の給与だけは引き上げを求めた。医師に限定した引き上げ勧告は1960年以来48年ぶり。また、原則1日8時間と定められた国家公務員の勤務時間を、民間企業に合わせて09年度から15分短縮するよう勧告した。
人事院の調査によると、国の医療機関に勤務する医師の平均年収は1134万5000円(46.6歳)で、民間より約259万円、独立行政法人国立病院機構より約127万円少なかった。そこで人事院は、初任給調整手当を増額することで平均年収を約127万円(約11%)引き上げ、病院機構並みにするよう求めた。
また、国家公務員の勤務時間は1日7時間45分に短縮し、週40時間から38時間45分に変えるよう勧告した。04~08年の民間企業の平均勤務時間(1日7時間44分、週38時間48分)を参考にした。時短が実現すれば、給与は据え置きでも、実質的な「時給」は約3%アップする。勤務時間の変更は、92年の完全週休2日制導入以来。
このほか、超過勤務が常態化している本府省の課長補佐以下を対象に、09年度から「本府省業務調整手当」を新設することも求めた。【石川貴教】
毎日新聞 2008年8月11日 19時23分
| 8月11日 | 人事院:医師のみ給与引き上げ勧告 医師不足に対応 |
| 8月4日 | 人事院:7日に給与改定勧告 |