新 日本古典文学大系 明治編

刊行のことば



刊行のことば
 
 長年私たちが培ってきた活字文化がいま大きく揺らいでいます.
 思えば,メディアとしての活字文化が本格化した19世紀後半の明治,この時期も,社会・文化の大きな変動期にありました.江戸時代からの伝統の持続と西洋文明の流入による急激な変化との間で,さまざまな規範が変動した時期でもあります.
 今日の時代状況と近似したその時代にこそ,現代人の問題解明の手掛りとなるべき豊富な文学的思想的営みがあるのではないでしょうか.
 小社はこれまでに古典を現代に蘇らせるという意図のもと,日本古典文学大系,日本思想大系,日本近代思想大系,新日本古典文学大系を継続して刊行し,古典の普及につとめて参りました.その流れのなかで,時代の要請に応える新しい企画について,かねてより編集委員4先生に委嘱し検討を重ねて参りましたが,このたび文学および隣接諸分野の研究者70余氏の参加を得て,新日本古典文学大系 明治編として刊行する運びになりました.
 このシリーズは,小社が長年にわたり蓄積してきた経験を継承し,原典に基づいた精確なる本文に詳密な注釈を付して提供するものです.
 明治の文学を古典の領域に位置づけるという画期的視点に基づく本シリーズが,読書界に広く受け入れられることを衷心より願うものです.
  2001年6月 岩波書店



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