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2008年08月11日

【理3の力】「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」吉永賢一




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、最近ちょっと多めの(笑)勉強本

しかも続けざまに東大ブランドでございます(汗)。

アマゾンのページが今現在ずさんなんで(笑)、LivedoorBOOKSの商品レビューから。

東大理3、家庭教師歴17年。勉強の超プロが明かす、誰も知らない成績アップの秘訣とは?「嫉妬をすると頭が悪くなる」って、ほんとう?すぐに使える!試験本番の小ワザ。成績を下げる“不幸の種”を見つけ出そう。

「東大理3」と聞いて、ガチガチにテクニカルなお話がメインかと思いきや、意外なことにメンタル面も重視していました。

家庭教師という人に教えていてこそ辿り着いたメソッドをご覧下さい!


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【目次】

第1章 「覚える」「わかる」で知識を確実にインプットする!
第2章 高速アウトプットで、無意識レベルの知識にする!
第3章 本番で確実に点数を上げるための「小技」を知ろう
第4章 「成績を下げる考え方」とは?
第5章 合格することば、不合格になることば
第6章 この心の習慣が、成功の鍵になる!


【ポイント】

■成績アップの「肝」となる3つの要素
「覚える」(暗記)、「わかる」(理解)、「慣れる」(練習)

⇒この3つがそろえば、必ず成績は上がるが、どれかが抜けていると、成績はなかなか伸びない


■小さな量に小分けする
⇒私たちの記憶力はかなりものであり、「覚えられない」のではなく、「思い出せない」だけ

⇒覚えるのが大変なら、1回に覚える量を減らす


■知識をつけるために3種類の本を買う
●入門書

⇒立ち読みして、最後まで読み終えたもの

 なぜ「最後まで読めたもの」かというと、最後のページまで目を通せたということは、つまりは「相性がいい」ということにほかならないからです。逆に、数ページ見て、どうも違和感を覚える本は相性が悪いと思っていいでしょう。


●専門書

口コミを重視する

網羅的で正確なもの


●辞書・用語集

⇒辞書は収録単語数が多いもの

⇒用語集は、重要単語だけが掲載された薄いもの


●使う順番

「入門書」「専門書」の順で、意味が分からないなりにも通読し、「存在は知っているけど、意味がわからない用語」が増えてきたところで、用語集を読むのが、しっかり覚えるためのコツ


■わからないところは30回音読する
⇒専門書で「わけがわからない」箇所に出会ったら、30回音読する

30回音読して、それでもわからない状態が続くようであれば、その部分の知識が根本的に不足していることが考えられる

「わかる」ところはマークして、マークしたところだけを繰り返し読むと、記憶にしっかりと残すことができる


■「わかる」と「覚える」はバランスよく
「わかる」「覚える」は、どちらかに偏ってはいけないが、やるときには、「どちらか片方だけ」やること

 たとえば、暗記するときは「わかろう」なんて思わずに、ひたすら「暗記」します。このとき、「『わかる』もついでにやっておこう」と思ってしまえば、そのぶん、暗記のスピードが落ちてしまうのです。

⇒具体的な手順については本書をご覧下さい(ネタバレ自重(汗))


■キーワードは「300回」
⇒知識には「頭で理解する」レベルと、「体が覚えている」レベルがあり、「体が覚えているレベル」とは、無意識で実行できるようになること

⇒無意識レベルに至れれば、「ラクに、速く、しかも正確に」実行できるようになるが、このレベルに至るには練習しかない

⇒無意識で実行できるためには繰り返す必要があり、その回数の目安はだいたい「300回」(「人」「分野」にもよる)

⇒ただし、「300回」といっても、知識はひとつひとつ独立しているわけではなく、別の項目を勉強している時に、周辺情報として登場すれば、そこでまた1回くり返すことができる

 読書にしろ、勉強にしろ、おもしろいことに、回を重ねるにしたがって慣れていき、読むスピードや解くスピードがアップしていきます。その結果、くり返しのカウントが加速度的に速くなり、あっという間に300回くらい軽くこなせるようになっているはずです。


■問題集を高速で解く
⇒問題集を解くときに「速くやるぞ!」と意識すると、どんどん解答のスピードが高速化していく

解答の高速化をはかっていくと、問題を解く際、「考える」ということをしなくなり、無意識のまま、ひたすら解答を書いていくという状態になっていく

⇒その際、「間違えないように」と思いながら解いてしまうと、意識レベルで解いたことになってしまうので、「どんどん間違えよう」という気持ちで取り組む


■白紙復元をする
「白紙復元」とは、「覚える」「わかる」を経た知識を、何も見ないで、声に出して言ってみたり、紙に書き出していったりすること

「授業が終わったあと」「問題を1問解いたあと」等に、「今学んだことは・・・」という具合に、「何も見ないで声に出して言う」のも、「白紙復元」になる

「白紙復元」も、最初はゆっくりでいいが、くり返すうちに高速化をはかる


■「わかっているつもり」を簡単に見分ける2つの「質問」(ネタバレ自重)
●「○○○?」

「要点」を意味する

「キーワード」が何も見ないでスラスラ出てくれば、OK


●「○○○○○○?」

「補足説明」を意味する

⇒内容について具体的な説明ができれば、OK


■教材を自分用にカスタマイズする
●コピーして持ち歩く

⇒とっつきにくい問題にぶつかったときは、その部分の問題と解答をコピーして持ち歩き、ウェイト時間(スキマ時間)に見る

⇒くり返し見ることで、その問題に慣れていき、「むずかしい」というイメージを払拭していく


●拡大コピーで文字を大きくする

⇒文字が大きいと、インパクトがあるため、記憶に残りやすい

⇒暗記モノの教材ではぜひとも活用していくこと

 これは、やったことがない人は、効果を想像してもよくわからないと思うので、ぜひ実行して「体感」してみてください。映画を映画館で観るのと、ワンセグで見るのとが違うように、「体感」に変化が出ます。


■点数を最大化するテクニック(抜粋)
カンタンな問題から解いていく

⇒1問あたりの制限時間を決める

むずかしい問題にぶつかったときには、「制限時間内に解答が思いつけなければ、いさぎよく捨てる」ことが重要です。

⇒最後の5〜10分は見直しに使う

なぜなら。新しい問題を解いても、その問題が「解ける」とは限らないからです。
 この場合、得点の上昇がまったく起こりません。
 すでに解いた問題の間違いであれば、発見できる可能性があります。そうすれば、数点が上がります。場合によっては、10点くらいまとまって上がるかもしれません。


【感想】

◆本書の特徴は、長年の講師歴を持つ著者の吉永さんが、勉強のテクニカルな部分はもちろん、メンタルの部分まで意識しているところにあります。

・・・「あります」のですが、それは本書の第4章以降ということで、実は上記のポイントでは触れていません(サーセン(汗)!)。

ここまででも、かなり量的に書いてしまっておりますし、今回は割愛させて下さいマセ(汗)。


◆というかですね、辿り着けなかった部分のかなり多くの内容が、属に言う、「成功法則」に近かったりしているんです。

なんたって、上記の「300回」の部分で、吉永さんが、「1000回以上読んでいる」本として、こんな本を挙げているくらい。

マスターの教え
飛鳥新社
山川 紘矢(翻訳)山川 亜希子(翻訳)
発売日:2001-06-22
おすすめ度:4.5


まさに王道(笑)。


◆第4章の冒頭で、吉永さんはこう言われています。

過去15年以上にわたって生徒を教えてきた経験から実感するのですが、勉強というものは、メンタルな部分が基盤にあり、その上にテクニックがあるようです。
 そのため、メンタルな部分が解消できていないと、どれだけテクニックを身につけようと、なかなか成績は伸びません。
 逆にメンタルな部分の問題が解消されていくと、生徒の成績はどんどん伸びはじめます。

この後の部分で挙げられているのが、「成績を下げる考え方」の主なもの5つ。

*間違えると落ち込む
*すぐ人のせいにする
*嫉妬深い
*人を蹴落としたいと思う
*すぐに結果を求める


・・・ここだけ見たら、「勉強の話」だとは思えないくらいですよね(笑)?


◆考えてみたら、「勉強して試験に合格する」ということは、明確なゴールのある「成功」であり、かつ、「億万長者になりたい」とかいう夢物語(?)とは違い、ある程度「身の丈に合った」目標設定の上で行われています。

と言うことは、最終的に「成功した」割合というのは、「億万(ry」に比べるとはるかに高いハズ。

つまり、95%が挫折するような再現性のない話ではなく、実際に指導した生徒さんの体験を数量化した上での結論と考えられるだけに、その言葉は重いです(汗)。

一生懸命「勉強のテクニック」を磨く前に、まずこのメンタルの部分をしっかりしておいた方が、効果が出そうなヨカン。


◆5章、6章では、それぞれ「言葉」「習慣」といった、成功本おなじみの内容が、勉強仕様となって登場。

どうアレンジされているかは、実際に本書でご覧下さい(笑)。

「確かに!」と思ったのを1つだけ挙げておくと、『「絶対に」はプラスの言葉とセットで使う』

これは私も実感しております。

ネガティブな言葉と組み合わせると、ネガティブな破壊力炸裂(汗)!


◆なにやら、ポイントで挙げなかった部分ばかり言及してしまいましたけど、もちろん、テクニカルな部分も読みどころが満載でした。

「30回音読」「300回くり返す」というのも、私自身が、税理士試験で似たような経験をしているので、基本的には同意。

指導の経歴が長いため、具体例がどうしても大学受験の話に終始してしまっているのですが、吉永さんご自身は「5日間の準備期間で宅建に合格」しているそう。

ついでに帯から引用すると、

センター試験では物理を3分で、代ゼミ模試では数学を5分で、英語を8分で解答しそれぞれ満点を取る

・・・って、テラスゴス(汗)!

当ブログ的には、いずれ続編で「宅建の受験本」でも書いてほしいものです(笑)。


伊達に東大理3は出てらっしゃいませんぜ(汗)!



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【編集後記】

◆最近、ちょっとコミュニケーション系の本が少ないなー、と思ってリアル書店で買った1冊。


旅行先で読了(の予定)。


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Posted by smoothfoxxx at 08:30
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