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慰安婦:米留学の高校生、ドキュメンタリー制作へ

 日本による植民地統治時代の1920年代のある日、荒涼とした通りを女性独立運動家の柳寛順(ユ・グァンスン)烈士のような格好をした20代女性が一人で歩いている。通りの至る所には写真数枚が散らばっている。写真に写っているのは、日本軍の慰安婦として恨み深い人生を歩んだおばあさんたちだ。

 これは今年11月にも制作されるドキュメンタリー『もう一度生まれ変われたら』の一部分だ。ドキュメンタリーのメガホンを握るのは米カリフォルニア州オレンジ郡の高校に通うイ・ギョンウク君(18)=写真=だ。イ君は慰安婦だったおばあさんに直接取材し、日本大使館前での水曜集会などを追い、おばあさんたちの生きざまを描いた。

 イ君は済州道西帰浦市の出身で、13歳のときに親元を離れ留学生活を始めた。彼が本格的に慰安婦のおばあさんの生活について調べ始めたのは、学校の同好会活動を通じてだった。イ君は「慰安婦問題が国家レベルの問題ではなく、地球に住む人々とともに解決すべき、女性に対する人権じゅうりんだということに気づいた。今も世界の女性を抑圧するひどい出来事が起き続けている」と話した。

 イ君は昨年と今年の夏休み期間に2カ月にわたり、京畿道広州市の元慰安婦福祉施設「ナヌム(分かち合い)の家」でボランティア生活を送った。おばあさんの姿を撮影した写真展を米国の母校で2回、今年夏には故郷の西帰浦市で1回開いた。学校の歴史教師の支援でドキュメンタリーのDVDをオレンジ郡内の高校96校に送り、上映してもらう計画だ。

 学生実業家を目指しているというイ君の目標は「心温かい起業家」になることだ。イ君は「会社経営で生じる利益を、地球上の恵まれない地域に格安ノートパソコンを普及させる活動や人権改善に回す社会的な企業をつくりたい」と語った。

チョン・ジソプ記者

写真=オ・ジョンチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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