【北京五輪・柔道】９日の柔道女子４８キロ級で銅メダルに終わった谷亮子（３２＝トヨタ自動車）が、１１日に緊急帰国することになった。１０日に北京市内で会見し、試合中、観戦に訪れていた長男・佳亮ちゃん（２）が発熱して深夜に北京市内の病院に緊急入院したことを告白。一刻も早く帰国したいと悲痛な母の心境を明かした。

　日本初のメダル獲得で行われた恒例のメダリスト会見。「昨夜もたくさんの方に取材を申し込まれ、きょうもテレビの出演依頼がありましたが、実は息子が高熱を出しまして、今朝もつきっきりでした。今は一刻も早く日本に帰って、息子を日本の病院に連れて行きたい気持ちです」という衝撃の言葉から始まった。

　異変が起きたのは、試合の日の午後３時ごろだったという。谷の母・和代さんとともにスタンドで観戦していた佳亮ちゃんが、準決勝前に急に４０度近い熱を出し、和代さんは急きょ、ホテルへ。熱が下がらず、ぐったりしたために、深夜、日本人医師がいる北京市内の病院に緊急入院。ウイルス性の感染症と診断されたという。

　谷は試合後のドーピングテスト中に事実を知った。熱を下げる子供用の座薬が北京の病院にはなく、１１日に帰国することになった。「早く日本の病院に連れて帰りたい」と訴えた谷の表情には、傷心の自らよりも息子を心配する母の顔が浮かんでいた。

[ 2008年08月11日 ]