毎日見ている風景の中で「これって何だろう」と思うものはありませんか。街角にひっそりたたずむ祠(ほこら)。水たまりと間違うような小さな川。奇岩。意外な歴史や言い伝えがあるかもしれません。
玉野圏版で八日付から夏企画「暑夜涼話〜玉野・直島の伝説から」を始めました。文字通り「暑(・)い夜(・)に聞くと、背筋がちょっぴり涼(・)しくなる話(・)」です。海を舞台にした怪談や史実を基にした悲話を集め、ゆかりの場所を紹介しています。「単なる昔話だろう」と片付けるのは簡単ですが、妙な事実がある場合もあります。例えば、渋川海岸で水難事故で命を落とすのは、なぜか男性ばかりといわれます。地元のお年寄りの話によると、それには実は悲しい言い伝えが…。偶然と言い切るには少々ミステリアスな感じもします。
四谷怪談を映画や舞台で演じる際には、役者やスタッフがお岩さんの墓参りに行ったり、おはらいを受けたりするといいます。私も企画原稿を繰り返し読み込んでいるうちにちょっと怖くなったので、後輩記者と一緒に近くの神社でお参りを済ませました。気が小さいだけなのかもしれませんが。
玉野、直島に限らず各地に伝承や怪談は多いと思います。皆さんの地域にも、何か気になる建物や場所はありませんか。お年寄りによくよく聞いてみると知らなかった話が…ということがあるかもしれません。夏の夜、ちょっとの間クーラーを止めて家族や友人と“語り”で涼み合うのも一興でしょう。
(玉野支社・高木一郎)