『平家物語』新潮日本古典集成
水原一校注『平家物語』上中下(新潮社 1979〜1981)。新潮日本古典集成は、大好きなシリーズ。小ぶりなハンディタイプ。古文は苦手だけれど、原文を味わいたいという願いを叶えた画期的な本だと思います。全体の口語訳というのはついていないのですが、本文横に難解な語句について色刷りで傍注がほどこされています。ですから語句につまづくことなく、原文で読み進めることができます。高校時代、おこづかいで少しづつ買い揃えていきました。
形態は、ページの上三分の一くらいに頭注・補説がはいり、下が本文。本文の右脇には傍注として色刷りで口語訳、補訳がつきます。
本文は、百二十句本(平仮名本 国立国会図書館蔵本)が底本。平家嫡流最後の六代の処刑で終わる「断絶平家」と呼ばれる本です。覚一本、流布本につらなる系統の本が多く出版される中、際立った存在といえます。また壇ノ浦で失われた草薙剣に関する説話を集めた「剣巻」も入っています。
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