新 日本古典文学大系 全100巻・別巻5

本大系の特色

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本大系の特色

体系的な書目の選定
収録書目は,近年の日本文学研究の成果と隣接諸分野の動向とに依拠しつつ,貴重な遺産として後世に受け継ぐべき作品という基準から,各時代を通じて体系的に選びだされた.
狭義の文学作品にとどまらず,詩文や仏典の注釈書である抄物や,庶民教育の手本である往来物などをも視野に入れ,いにしえの人々の多様多彩で豊かな感性と知性とを現代に蘇らせることを試みた.

信頼しうる,読みやすい本文
作品の抄録はできるかぎりおこなわず,完本として収めることを原則とした.
それぞれの作品に応じて最も妥当と思われる善本を選んで底本とした.
本文づくりに際しては,作品の時代性を考慮に入れて,原文の味わいを損なわないように努めた.
本文校訂に際しては,読みやすくするためにさまざまな工夫をこらした.
  1 段落を区切り,句読点を打ち,会話や引用文は「 」で括った.
  2 適宜,仮名に漢字を宛て,読みにくい漢字には読み仮名を施した.
  3 原文に清濁のないものは補った.
ただし,専門家の引用にも十分耐えうるように,底本の形に遡れるように配慮した.
  1 原文の仮名に漢字を宛てる場合,もとの仮名は振り仮名として残し,かつ校注者の付した読み仮名と区別できるようにした.
  2 送り仮名,仮名遣いは原文のままとし,必要に応じて,歴史的仮名遣いを傍記した.
原文が漢文で記されたものについては,読み下し文と原文とを掲げた.
底本にある挿絵はすべて収めた.

懇切丁寧な注解
文学作品として読むことを第一とし,語句の解釈にとどまらず,原文を味読するために最も適切と考えられる注釈を心がけた.
国文学界のみならず,国語学・歴史学・仏教学など広く関連諸分野の協力を得ることで,最新最高の研究成果を反映するように努めた.
和歌,俳諧など,語釈のみでは意味のとりにくいものには,大意と鑑賞的な説明を加えた.
挿絵については,本文の内容にかかわる範囲での絵注を施した.
各作品の前に,作者,成立,梗概,時代背景などについて,簡便な解説を施し,鑑賞の手引きとした.

ゆきとどいた解説,充実の付録
巻末には,作品の理解を深め,研究の手引きともなるよう,学界の最新の知見を盛り込んだ解説を収めた.
作品の内容に応じて,各種の付図・系図・用語一覧などのほか,豊富な関連資料を付載した.
各巻に月報を付し,諸家のエッセイ,資料紹介,校注者インタビューなどを掲載した.

便利な索引
和歌,俳諧,説話集など,各作品に応じて,巻末には検索のための初句索引,人名・地名・事項索引などを付した.
萬葉集,八代集,続日本紀,源氏物語,今昔物語集は,それぞれ別巻として索引を独立させた.

堅牢かつ品格ある造本
A5判上製函入.用紙は半永久的に保存がきく中性紙を使用.最高の技術による堅牢かつ品格ある造本とした.
題字は今井凌雪氏の筆である.





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