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【和歌山カレー事件10年】上告審の見通しは?
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林真須美被告にとっては、逆転無罪に向けて最後の機会となる上告審。新たに安田好弘弁護士(第2東京弁護士会)を主任弁護人に選任し、改めて無罪を主張している。最高裁判決は来年中にも言い渡される見通しだ。
上告審での弁護側の主張は、2審の弁護方針をほぼ踏襲している。(1)カレー事件はアリバイが成立する(2)夫らへの殺人未遂は保険金目的の自作自演だった−を柱とするものだ。
18年10月に最高裁へ提出した上告趣意書では、被告宅の台所から発見され、ヒ素が検出されたプラスチック容器について「発見経過が不自然で、捜査機関が捏造(ねつぞう)したもの」と主張。「被告がカレー鍋を開けるのを見た」とする目撃証言についても「服装や髪形が被告とは異なり、見間違いの可能性が高い」としている。
さらに飼い犬が毒殺されたり、ぼやが発生するなど自治会の住民間でトラブルがあったことを挙げ、「ヒ素の毒性を理解していない人物が食中毒騒ぎを起こそうとした、嫌がらせ目的の犯行だった」と真犯人像にも言及した。
仮に嫌がらせ目的の犯行とすれば殺人罪ではなく、傷害致死罪が適用されることになる。弁護団は「傷害致死罪なら時効が成立する。それでもいいから真犯人は名乗り出てほしい」としている。
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