【おすすめ】<中スポ コンフィデンシャル> 柔道界のすい星、中村美里2008年2月27日 紙面から
女子柔道の52キロ級にスイ星のように現れたホープ、中村美里(18)=渋谷教育渋谷高3年。女王・谷亮子が健在な48キロから52キロ級に階級を上げた昨年11月の講道館杯、12月の嘉納杯東京国際で立て続けに優勝し、今最も勢いに乗る。北京五輪を目指す渋谷の女子高生の素顔に迫った。 (聞き手・川村庸介) −柔道を始めた理由は 「小学校3年の時に格闘技の習い事を探していて、一番しっくりいきそうだというか…。楽しかったから」 −どうして格闘技なの 「きっかけが何だったかは覚えていないけど…。多分、K−1の影響じゃなかったかな」 −「K−1」で好きな選手は 「須藤元気選手が好きだったけど、結婚しちゃったので…(笑い)。リングには1度行ってみたいですね」 −柔道のどんなところが楽しかった 「トレーニングが楽しかったのと、小さい人が大きい人を投げているのがすごいなと思った」 −そんな女の子が北京五輪代表も見える位置まで来た
「始めたばかりのころは、五輪なんて夢だった。今は本当にここまで来たな、という感じです」 −かつて同じ階級だった谷亮子については 「すごいなと思います。試合をやったことがなかったんで、組んでみたかったです」 −同じ18歳のスポーツ選手に、日本ハム・中田翔、テニスの錦織圭…といるけれど… 「若手が目立ってきましたね。でも、気になる選手は特にいないんです」 −ところで柔道選手であるとともに、女子高生でもあるんですよね。趣味とかは 「音楽を聴いたり。いろいろ聞くけどHYとかオレンジレンジはよく聴きます」 −好きなタレントは 「市原隼人は目が好きです。(女性だったら)上戸彩とか沢尻エリカ。エリカ様はなんであんなに機嫌悪かったのかな。一度会ってみたいです」 −得意な授業は 「体育だけ(笑い)。英語と世界史は苦手です」 −ほかにスポーツはやるの 「球技はほとんど好きです。サッカーとかバレーボールとか。中学に進むとき、もしかしたらソフトボールをやっていたかもしれなかった。サッカーだと、ロナウジーニョはすごいと思います」 −友達とはどんなことして遊ぶ 「休みがないので、あまり遊べないです。でも、遊ぶんだったらカラオケや映画。オレンジレンジは毎回歌いますね」 −テレビはどんな番組を見てるの 「『エンタの神様』が好きです。今はフルーツポンチがお気に入りなんですよ」 −読書は 「本はたまに読みますね。『手紙』(東野圭吾)や『恋空』(美嘉)は読んで少し泣いたりしました」 −通学している渋谷の街の印象は 「最初はすごい人が多いな、と。電車を降りられないかもしれないと思いました」 −もう高校生活も終わるけれど、思い出を教えて 「クラスで友達とお昼に一品ずつ持ち寄って交換したことが楽しかった。自分でもポテトサラダや空揚げとか作りました。友達と離れるのはやっぱり寂しいですよ。でも、高校で柔道をやっていてよかった。いろんな人と知り合えた。柔道をやっていなかったら海外にも行けないし、交流もできない。日本でも大阪や北海道の友達ができたりとか。普通だったらありえないので」 −4月から三井住友海上に入り、社会人になるね 「自分でいろいろやらなきゃというのはあります。仕事もやらなきゃいけないし。大学進学も少しは考えました。でも、単位を取るのとか大変そうで。教員免許を取りたいな、とは思ったんですが」 −五輪代表を目指すには、4月の全日本選抜体重別が勝負 「目標は優勝です。自信というより、優勝したいっていう気持ちの方が強いです」 −北京では金メダル 「今はあんまり考えてないんです。まずは出ることです」 【中村美里(なかむら・みさと)】 1989(平成元)年4月28日、東京都生まれの18歳。158センチ。相原中を経て渋谷教育渋谷高へ。48キロ級だった05年講道館杯で、谷亮子に次ぐ実力者の北田佳世を破り、一躍脚光を浴びる。さらにその年の福岡国際で谷以来となる16歳で女王に。06年はドーハアジア大会、福岡国際ともに3位。07年は全日本選抜体重別で、優勝した福見友子に敗れベスト4。同年11月から52キロ級に転向し、講道館杯と嘉納杯を連覇。4月から三井住友海上に入社する。得意技は小外刈り。好きな食べ物は肉料理とオムライス。 【渋谷教育学園渋谷高校】 96年に設立された私立高校。男女共学の普通科。所在地は東京都渋谷区。生徒数は一学年約200人と私立高校としては小規模ながら、進学校として有名で、昨年度は東大23人をはじめ、米国のハーバード大、マサチューセッツ工科大にも合格者を出した。
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