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急減する韓国の外貨保有高(上)

先月だけで105億ドル、史上最大の減少幅

 韓国の外貨保有高に黄信号がともっている。

 外債は増加を続ける一方で、その償還のための最後の手段となる外貨保有高は、輸入物価を抑えるためのウォン高政策の影響で大幅に減少を続けている。

 今のところは外貨保有高が不足している状況ではないが、韓国政府の行き過ぎたドル売りの市場介入が続く中、短期外債の急増や外国資本の離脱などが重なった場合、外貨保有高に深刻な問題が発生するとの声が高まっている。

 韓国銀行は4日に7月末現在の外貨保有高を2475億2000万ドル(約26兆7700億円)と発表した。これは1カ月前の6月末に比べると105億8000万ドル(約1兆1400億円)も減少したもので、1カ月の減少幅としては史上最大となる。

 外貨保有高が大きく減少した理由について韓銀は、「外為市場の安定のためにドル売り介入が必要だった」と説明した。ウォン高を維持するための通貨当局による介入が外貨保有高の減少を招いたというのだ。

◆政府の行き過ぎた介入が招いた悪影響

 急激な物価上昇で対策を迫られた企画財政部と韓銀は先月7日、外国為替市場に行き過ぎたアンバランスが発生したと判断した場合には強い態度で臨むと表明し、市場介入に乗り出した。輸入品価格急騰の大きな原因となるウォン安を防ぐための宣戦布告を行ったことになる。通貨当局は翌8日には20億ドル(約2160億円)、9日には50億ドル(約5400億円)前後の外貨を取り崩してウォン買いを行ったようだと市場関係者は推測している。

 ウォン買いに必要な保有外貨は今年3月末に2642億ドル(約28兆6000億円)を記録して以降、6月末には2581億ドル(約27兆9000億円)、7月末には2475億ドルへと引き続き減少を続けている。

金起勲(キム・ギフン)記者

クム・ウォンソプ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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