ハト被害
奈良県奈良市がハトの被害に悩まされている。場所は奈良駅からほど近い高名建築家が手がけた14階建ての“V字型”の市営住宅。15年前に建てられたこのマンションはオシャレなデザインとして近代的な建物だと当時は評判も良かった。
しかし、今では、“ハトマンション”と呼ばれるほどにハトに占拠されてしまった。虫がわき、引っ越す人も出ているという。
特捜オンブズマンがマンションを訪ねると、マンションの上空にはハトの群れ、そしていたる窓やベランダではハトが羽を休めており、辺り一面はフンのにおいがたちこめている。
特に被害がすごいという部屋を見せてもらうと、ベランダ一面にフンが3cm蓄積し、巣を作り卵まで産んでいるのだ。それにしてもなぜこんなに多くのハトが、このマンションに集まってしまうのか?
専門家の見解
15年前にマンションが出来たときに周りには高い建物がなかった。ハトは上から狙われないよう高いところを好むという習性があるため、このマンションを目指し飛んできたと考えられると専門家は言う。
さらに、住民は“デザインが問題”と指摘、奈良市もこれを認めた。実は、このマンション、外形がVの字になっており、そのVの底の部分が外敵に狙われにくいため、ハトが集まってくるのだという。
さらに、周辺の駅や公園などでエサをやる人がいるため、エサ場には困らない環境にもなっている。
奈良市の対応
奈良市も5年前、1,100万円を費やしハトが嫌がるといわれる“磁石つきピアノ線”をマンションのベランダに張るなど対応してきた。しかし、まったく効果なし。
そこで1部のベランダにフェンスを張った。しかし、曲線のデザインがアダとなり、1戸あたり20万円という高額な工事費がかかる。そのため、すべてのベランダに設置できず、対策が八方ふさがりになっている。
ハト被害の対策
専門家は、「ハトを減らしたいのであれば人がエサをやらない環境を作ること」と断言する。