青森市のあおもり協立病院で今年7月、入院している同市の70歳代男性患者が麻酔薬を投与された後、意識不明になっている事故で、同病院は9日、横田祐介院長名でコメントを発表し、事故が医療過誤によるものだったことを明らかにした。電気的除細動(電気ショック)治療直前に投与すべき麻酔薬のイソゾールを、誤って治療開始予定時刻より数時間早く投与したため、呼吸抑制が生じ救急蘇(そ)生(せい)が必要な状態になったと説明している。
コメントや同病院関係者によると、男性は不整脈治療のために入院。イソゾールの投与は主治医の指示で看護師が行い、事故は7月10日午前11時半ごろに発生、その直後から集中的治療を施した。男性は一時重篤な状態に陥った。関係官庁への事故の報告は済んでいる。
事故は薬剤などについての職員教育の不十分さ、業務基準順守の不徹底、職員間の連絡不足など、複合的な要因が絡んだものと考えられると説明しており、詳細は外部からの委員を含めた事故調査委員会を設けて調べている。
調査結果は早急にまとめ、関係官庁に報告するとともに公表する方針。
院内のマニュアルでは、医師が立ち会って投与することになっているが、同病院関係者は、今回は立ち会っていなかった可能性もあることを示唆した。
また、男性の家族には事故の経過を報告して謝罪している。
県は8月中をめどに同病院を立ち入り調査する予定。