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2008年8月10日

 パワフルな2人の女性が痛恨の涙をのんだ。銅メダルながら五輪3連覇を逃した柔道の谷亮子選手と、惜しくもメダルに届かなかったウエイトリフティングの三宅宏実選手だ

16歳で五輪に初出場したヤワラちゃんこと谷選手も32歳。大会には息子も応援に来ていたようだが「ママでも金」にはならなかった。試合後、畳を降りてうつむくヤワラちゃん。無念の思いでいっぱいだったろう。銅で喜べないのはヤワラちゃんのレベルの高さゆえのことだ

勝者がやがて敗者になるのは競技者の宿命でもあろう。だが、五輪夏季大会に5連続出場し、そのすべてでメダルを獲得したのは谷選手だけである。快挙といってもいい

三宅選手は目を真っ赤にした。史上3組目の日本人親子メダリストという記録もお預けとなった。だが、敗北の苦汁は、再起への良薬になるはずだ。父との二人三脚で、さらに大きくなって五輪の舞台に戻ってきてほしい

「5回も五輪で競い合えうれしい」と語ったヤワラちゃん。三宅選手は「今までで一番悔しい」と涙を流した。2人にとって一番のメダルは家族の支えなのかもしれない。


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