ニュース: 国際 RSS feed
【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 日本酒ブーム
韓国の酒の種類に「チョンジョン」というのがある。このハングル音の元は「正宗」で日本酒のことを意味する。日本統治時代など昔、この地に「菊正宗」など「〇〇正宗」という銘柄が入り、日本酒の代名詞になったものと思われる。今でもよく使われている。
当然、韓国産の「チョンジョン」もあって、たとえば「寿福(スボク)」など昔からよく知られており、冷酒系の「清河(チョンハ)」や「雪花(ソルファ)」なども人気がある。ところが最近、日本から輸入される本場の日本酒が人気を博し、ちょっとしたブームとして話題になっている。
これまで「チョンジョン」というとおじさん系の好みだったが、輸入日本酒は日本語そのままで「サケ」と呼ばれ、カッコいい酒として若者を中心によく売れている。輸入量は毎年50%近い伸びで昨年、初めて1000トンを超え、今年は1500トンになりそうだという。背景には、韓国での日本風居酒屋ブームや、日本旅行などを通じた現代日本情報の流入がある。
竹島・独島問題でマスコミは“反日”をあおり、便乗(?)した政治向きは日本との交流イベント中止など相変わらず極端なことをやっているが、一般の人々は「それはそれ、これはこれ」のようだ。
反日パフォーマンスとして「日本製品不買運動」を叫んでいた団体もあったが、まったく不発に終わったようだ。(黒田勝弘)