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【萬物相】荒唐無稽な台湾メディア

 「老子、孔子が韓国人だと言ったと思えば、釈迦までも韓国人だと主張している」(中国時報)「韓国外大哲学科の呉可能教授は2007年7月に学術誌『追理』に寄稿した論文で、万里の長城は韓国人が築いたことを明らかにした」(聯合報)「豆乳は中国が発明したことは世の中に知られているが、韓国が発明したと言い張るなど泥棒行為だ」(TVBS)

 台湾の二大紙と有力ケーブルテレビ局が報じた韓国関連記事の一部だ。釈迦の韓国人説は朝鮮日報が成均館大の研究結果を引用したと伝えた。朝鮮日報がそんな記事を書いたことはない。万里の長城に関しては、韓国外大の呉可能教授も学術誌『追理』も存在していない。

 聯合報は台北市文化局の李斌副局長の話として、「韓国の視察団が台北の孔子崇拝を視察したのだが、韓国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に孔子崇拝を世界文化遺産として申請したとは知らなかった。幸い中国も申請を行い、韓国の泥棒行為を防いだ」と報じた。台湾メディアは最近1-2年でこんなとんでもない報道を相次いで行っている。

 先週には中国・広東省の有力紙新快報が社会面トップで「朝鮮日報の報道」だとして、「成均館大歴史学科の朴芬慶教授が中華民国を建国した孫文は韓国の血筋だとする論文を発表した」と伝えた。中国ではインターネット上で大騒ぎとなったが、韓国人はただまゆつばだとしか思わなかった。しかし、台湾ではそんな記事が相次いで掲載されており、インターネット上で再生産され、世界の華人社会に伝播している。笑って済ませられる話ではない。

 駐台北韓国代表部は1992年、韓国が台湾と断交して以降、韓国に対する好感が後退したと説明する。韓流が深く浸透した逆効果でアンチ韓国の流れが起きているともいう。「中華民国という文化的優越主義が北京五輪を契機によみがえった」「かつては優位に立ちながら韓国に追い越された負け組意識」などといった分析も聞かれる。理由がどうであれ、有力メディアが記事ではなく小説を書くことは、韓国と台湾の関係において望ましいことではない。韓国政府もおとなしくしている場合ではなさそうだ。

崔秉黙(チェ・ビョンムク)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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