【北京・浦松丈二】新華社通信などによると、北京五輪が開かれている北京市の観光地「鼓楼」の2階で9日昼ごろ、米国人観光客の男女2人と中国人女性ガイドが中国人の男に刃物で襲われ、米国人男性が死亡し、残る2人もけがをした。男は鼓楼から飛び降り自殺した。
AP通信によると、襲われた米国人2人は北京五輪に参加している米国男子バレーボールチームのコーチの親類という。
調べでは、自殺した男は持っていた身分証明書から浙江省杭州出身の唐永明容疑者(47)と判明。北京市警察当局が犯行動機などを調べている。
現場は五輪メーンスタジアムの国家体育場(愛称・鳥の巣)から南へ約5キロ。鼓楼は1272年に建てられ、明、清代を通じて街に時を知らせた歴史的建造物。鼓楼の太鼓は、北京で90年に開催されたアジア大会の開会式でも使われた。
北京には五輪観戦ツアーなどで大勢の観光客が訪れている。古い街並みが保存されている鼓楼周辺は日本人観光客もよく訪れる人気スポットとして知られる。北京の観光地では厳しい安全検査が行われている、とされていた。
毎日新聞 2008年8月9日 20時05分(最終更新 8月9日 20時56分)