ジョン・グリシャム著『THE LAST JUROR』(最後の陪審員)の研究#2

中央大学教授 (大学院&総合政策学部)
米国弁護士 (NY州法曹)
平野 晋

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First Up-loaded on Jan. 31, 2005
(No proof reading【未校閲版】

 出典:   JOHN GRISHAM, THE LAST JUROR (Dell export mass market ed. Oct. 2004) (Dell Book).

【あらすじの続き】以下はプロットが分かってしまうので、知りたくない方は読まないで下さい。 

レイプ殺人犯ダニーを裁く裁判の陪審員の選考の結果、最後の陪審員(the last juror)として、トレイナーの知人の女性キャリア・ラフィンも黒人として史上初めて選ばれる。(小説中ではリーガル・スリラーなプロットと離れて、このラフィン一族の先祖--イタリア系移民と黒人との混血--と現在--多くの子供達を学者・大学教授に育て上げて信心深く模範的な市民--に関する詳細な記述もある。) 

法廷で被告人ダニーは、陪審員達に向かって、もし有罪にしたら報復するぞと示唆するような言動を採る。 

評決の結果、ダニーは有罪となるけれども、量刑の方は死罪を逃れ終身刑となってしまう。しかしミシシッピー州の「終身」刑では、わずか10年の刑期を終えれば仮釈放になってしまうのだった。(陪審員は量刑を決める際にその事実を知らされないままに、死刑か終身刑かの選択を迫られてしまう、という法制度のおかしさが、小説内では記述されている。) 

数年後、仮釈放の聴聞会が秘密裏に開催されようとしたことを知ったトレイナーが奮闘し一度は阻止するが、パジッツ家の賄賂が効いて、翌年開催された聴聞会で結局ダニーはわずか9年程の服役後に仮釈放となってしまう。

すると、陪審員だった者が一人、また一人と、狙撃・殺害されるという事件が起こる。町は騒然となる。仮釈放されたダニーが報復のためにやったと一般に疑われる。しかし、狙撃・殺害された二名の元陪審員は、実は評議の際、ダニーに死罪を量刑することに反対した者たちだったことが判明。そして、元陪審員にはもう一人、まだ殺されて居ないで死刑に反対した者が居たことも判る。

その元陪審員も爆弾で殺害されそうになり、警察は、判事から逮捕状を得てとりあえず仮釈放中のダニーを逮捕。しかし法廷で審理のために引き出されたダニーは、突如、何者かによって狙撃・殺害される。

狙撃の犯人は、元判事補で、レイプ殺人の被害女性に思いを寄せていた正気を失った人だった。一件が落着すると、キャリア・ラフィンが心臓発作で死に、既に新聞社を大資本に売却する契約を済ましていたトレイナーは町を離れる前に最後の仕事として彼女の死亡通知の記事を書くのだった。

未校閲版】 No proof reading.

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