【北京=五輪取材班】無数の五星紅旗が観客席を真っ赤に染め上げ、武装警察官が会場周辺の警備を固める。8日午後8時(日本時間同9時)、北京五輪の開会式がメーン会場、国家体育場(愛称・鳥の巣)で行われた。騒乱、大地震、テロと数々の混乱を経て中国が迎えた世紀の舞台。異様な興奮と緊張が交錯する過去例をみない「平和の祭典」が幕を開けた。
すり鉢状の観客席を最上段まで埋め尽くした約9万人。カウントダウンの後、開会式の始まりを告げる大量の花火が轟音(ごうおん)を響かせる。「有朋自遠方来 不亦楽乎(朋あり遠方より来る、また楽しからずや)」。2008人の若者が孔子の言葉を叫ぶ。観客は歓声を上げながら赤や青にきらめく夜空を見上げ、「中華民族100年の夢」をかみしめた。(07:00)