《GLOBE賞を受賞 地球環境問題で基調講演》
地球温暖化問題が最大の焦点になる北海道洞爺湖サミットを前に6月28日、「GLOBE東京G8+5議員会合」が都内のホテルで開かれ、ブレア前英首相とともに出席しました。
この日は私とブレア前首相が基調講演し、ブレア氏は「安倍前首相は成長センターであるアジアから温暖化対策についてのプリンシプル(基本原則)を世界に示した。日本が世界の取り組むべき諸課題に対して主導的役割を果たすべきとの考え方であり、安倍前首相は環境分野で新たなリーダーシップを発揮した」と安倍内閣の方針を高く評価しました。
私が総理就任の直後にブレア氏と電話会談した際、「戦後レジームからの脱却を目指す」という方針を伝えると、ブレア氏は「日本の外交スタイルを能動的な外交に転換するものであり、安倍総理の外交姿勢を高く評価する」と述べ、理解を示されたことが思い出されます。
私とブレア氏は同じ世代であり、その点からも共感を得たと思いますが、「主張する外交」に対する評価と受け止めています。
今後とも、環境問題でブレア前首相とも連携し、次世代に美しい環境を残していけるよう努力していきたいと考えています。
講演資料:講演原稿 安倍第2提言ポイント
週刊文春記事で文藝春秋などを提訴
週刊文春(平成20年5月15日号)の記事に関して、これまでホームページで事実無根であることを指摘しましたが、7月29日、週刊文春を発行する株式会社文藝春秋と編集長及び記者を名誉毀損で東京地方裁判所に提訴しました。
<週刊文春の不誠実な対応>
週刊文春は、私が衆議院山口第2区選出議員補欠選挙(平成20年4月27日)の街頭演説において虚偽の演説を行い、犯罪被害者の方を「政治利用」したとする事実無根の記事を掲載しました。この記事を問題にするにあたり、週刊文春から取材を受けた犯罪被害者家族の方にも事情を確認した上で、週刊文春に対して訂正と謝罪を求めました。週刊文春は街頭演説に関するくだりについては嘘であったことを認めたものの、その訂正と謝罪は一般読者が訂正と謝罪に全く気が付かない編集後記の記事中に埋没する文章の形で掲載するという愚挙に出ました。また、犯罪被害者家族の方の自民党候補者支援に関する部分については嘘を認めませんでした。
<提訴に踏み切らざるを得なかった理由>
私は犯罪被害者救済を政策の重要な課題のひとつとして挙げて真摯に取り組み、総理在任中には法案を成立させました。この記事は、私があたかも犯罪被害者家族の方を「選挙のだし」に使ったかのような言い草で、真面目に犯罪被害者を救済しようとした政治信念を汚す無責任極まりないものであり、私の政治信念にかかわる問題として、断固として許すわけにはいきません。週刊誌記事であるとの一言で無視して片付けることができないのです。また、週刊文春の取材記者は記事発売前に私が事実と違う旨を指摘したのに対し、実際には画像や録画を検証した事実がないにもかかわらず、確実な取材根拠がある記事であるとの嘘をつきました。報道関係者として絶対にしてはならない取材倫理に反する行為であり、到底容認できません。
自らの裁判を終えて一市民として平穏な生活を取り戻すことを願っている犯罪被害者家族の方を巻き込むのは本意ではないので、裁判外での解決を粘り強く求めてきました。しかし、今回週刊文春が頑として誠意を見せることなく話し合いを打ち切ったことから、やむなく提訴した次第です。
松田賢弥「週刊現代」記事に200万円支払命令(広島地裁)
(株)講談社が発行する「週刊現代」に連載された松田賢弥氏の記事について、広島地裁は「創作」であると認定し、200万円の損害賠償金の支払いを命じる判決を7月17日下しました。
松田氏が「安倍晋三『空虚なプリンス』」という記事の中で、安倍家と岸家の家族内に「血の確執」があるなどと嘘記事を掲載し、この記事によって名誉が毀損されたことから実兄が広島地裁に提訴していた裁判の判決です。
松 田氏は実兄に直接取材して記事を書いたなどと主張していましたが、広島地裁は本件記事が「創作であって、編集の範囲を超え」、「実兄の発言の趣旨から著し く逸脱し、真意と乖離(かいり)する」ものであると正面から認定し、松田氏に200万円の賠償金の支払いを命じました。
判決について実兄は代理人である弁護士を通じて次のようなコメントを報道機関に出しているので紹介します。
本日、「週刊現代」掲載記事による名誉毀損事件(広島地裁平成18年(ワ)第1769号)について、被告松田賢弥氏(ジャーナリスト)に200万円の損害賠償の支払いを命ずる判決がありました。
原告は当初から記事が事実に基づかない捏造記事であることと主張してきました。本日の判決は、被告松田氏の本件記事が「創作であって編集の範囲を超える」と本件記事が被告松田氏の作り事であったことを正面から認定し損害賠償の支払いを命じており、原告の主張を認めたものとして高く評価しています。
その他主張してきた点については判決をよく精査して適切に対応したいと思います。
以上
胡錦濤中国国家主席を囲む朝食会での発言について
私が5月8日に開かれた中曽根元総理主催の胡錦濤中国国家主席を囲む朝食会の席上、チベット問題とウイグル問題を取り上げたことに関して、各方面から様々なご意見をいだだきました。今回の発言について改めて私の考えを述べさせていただきます。
朝食会では、まず首脳会談の成果、戦略的互恵の進展について述べ、そのあとチベット問題では次のように発言しました。
「私が小学生のころに日本で東京五輪が開かれた。そのときの高揚感、世界に認められたという達成感は日本に対する誇りにつながった。中国も今、そういうムードにあるのだろう。その中でチベットの人権問題について憂慮している。ダライ・ラマ側との対話再開は評価するが、同時に五輪開催によってチベットの人権状況がよくなったという結果を生み出さなければならない。そうなることを強く望んでいる」
次にウイグル問題について「日本の東大に留学していたトフティ・チュニヤズさんが研究のため中国に一時帰国した際、逮捕され、11年が経過している。彼の奥さん、家族は日本にいる。無事釈放され、日本に帰ってくることを希望する」と具体的な人名をあげて、胡主席に要望しました。
トフティさんの問題については、次のような経緯で問題の存在を知りました。
昨年末、私はウイグル解放運動家のラビア・カーディルさんと「中国を追われたウイグル人」の著者である中央大学講師の水谷尚子さんとお会いしました。ラビアさんはノーベル平和賞の候補者として名前があがったこともあります。
その席で水谷さんからトフティさんの問題を詳しく聞き、さらに今年4月末にトフティさんの奥さまにもお目にかかりました。
奥さまは私に対し「主人は日本でまじめに勉強することを生きがいにしていました」と切々と語りました。トフティさんは中国人ではありますが、学問の自由を保障されている日本で学んでいたのであり、その意味では日本の学徒でもあります。彼自身が取り組んでいる研究課題の延長線で罪に問われたわけですが、日本で学んでいる学生である以上、日本の政治家としてトフティさんの人権を守ることが重要であると考えました。
朝食会の席にふさわしくない問題かもしれませんが、中国との関係ではトップに直接話すことが極めて重要なのです。私は胡主席と会談する機会があれば、この問題を取り上げると決意を固めていました。チベット問題も同様です。
私は安倍内閣で価値観外交、主張する外交を掲げました。自由、民主主義、基本的人権、法の支配という普遍的な価値観を共有する国々の輪を広げていくというのが価値観外交の基本です。
日本人の強い憂慮を直接、胡主席に伝えることは、中国の人権状況の改善への働きかけであると同時に、日本が世界に向けてメッセージを発信することにもなると確信していました。
今後、チベット問題、ウイグル問題、さらにトフティさんの解放など、前進があることを強く期待しています。私自身、政治家として前総理として引き続き取り組んでいきたいと思います。
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