ギョーザ事件「早期解決に全力」  日中首脳会談で胡主席

　【北京８日共同】福田康夫首相は８日午後、北京五輪開会式に先立ち北京市内で中国の胡錦濤国家主席、温家宝首相と個別に会談し、胡主席は中国製ギョーザ事件について「できるだけ早く解決するよう全力を挙げる」と表明した。

　福田首相が、同事件をめぐり中国国内でも中毒被害が出ていたことを踏まえ「この問題は日本国民の関心が高い。一刻も早く解決するよう一層の努力を願いたい」と捜査の加速を要請したのに答えた。首相はまた、消費者の不安解消に向けた情報開示の重要性も強調。会談後、記者団に「胡主席は真剣に耳を傾けていた。（事実関係の解明は）進展すると思う」との見通しを示した。

　北朝鮮の拉致問題に関しては、１１日から中国・瀋陽で日朝実務者協議が始まることを念頭に福田首相が解決に向けた中国側の働き掛けを求めたのに対し、胡主席は「日朝関係が対話を通じて改善し、関連問題が解決されることを支持している」と述べた。

　一連の会談では、東シナ海ガス田の共同開発合意を踏まえ、幅広い分野で共通の利益を追求する「戦略的互恵関係」を発展させることがアジア太平洋地域の安定に役立つとの認識で一致した。