10年で「一昔」。それが、20年では「歴史」になるという。東京五輪から24年後がソウル。ソウル五輪から20年後が北京である 中国5千年の歴史を柱にした華々しい開会式を見ながらも、東京から北京まで44年もかかったアジアの戦後史を思った。この40数年間に、人権や環境など中国の抱える矛盾や苦悩が凝縮されている 式典は開催国の歴史と、時の勢いが最もよく現れる。孔子の言葉や太極拳の群舞から、現代最先端の光と音の技術を駆使した幻想の世界まで、これでもかというほどに展開した。21世紀の超大国を目指す国の姿がそのままにあった 各国の選手団がリラックスした表情で行進し、やがて日本選手団が現れて、その中に北陸の若者たちの笑顔も続いた。世紀の祭典は、はるかな世界と身近な故郷を、悠久の時の流れとともに見せてくれる舞台でもあった オリンピックは頂点に立つ国が、国力を誇る場ではない。東京五輪がそうだったように、頂上を目指して登り続ける若者の汗が見える青春の祭典だ。後世、世界の人々に、よく頑張った、金メダル級だと言われる大会を目指してほしい。
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