北京五輪柔道女子日本代表が6日、北京市中心部のホテル内の特別施設で練習を開始した。48キロ級で3連覇を目指す谷亮子(32)=トヨタ自動車=は目前に迫った9日の決戦に向け、本番と同じ中国製の畳の上で順調な仕上がりをアピール。昨年11月のテスト大会で日本選手から「滑りやすい」と指摘があった中国製畳も五輪に向けて改善されていることが分かった。また、谷が試合当日に中華料理を食べて出陣する可能性が浮上した。
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谷は非公開の練習で約2時間、打ち込みや投げ込みなどをみっちりこなした。引退した井上康生氏も訪れる中、自身にとって今回の北京入り後の初練習で汗を流した。試合を控えた谷は報道陣に対して無言を貫いたが、大きなけがもなく順調な様子。吉村和郎チームリーダーは「昨年9月の世界選手権前よりも数段いい」と絶賛した。
道場は日本選手団の選手村外の活動拠点、ジャパンハウスがあるホテル内につくられた日本チーム専用で本番と同じ中国製の畳が敷かれた。昨年11月には「滑りやすい」という指摘があったが、五輪に向けて改善されており、57キロ級の佐藤愛子(了徳寺学園職)は「気にならなかった。普通に動けた」と話した。
また“勝負食”の変更を、五輪や世界選手権などの大舞台で谷の食事を一手に担う父・田村勝美さんが明かした。
これまで金メダルへつながった恒例の餅(もち)が最有力だったが、5日に北京入りした勝美さんは宿泊する市内のホテルの食事の豪華さに感激。「亮子の食事をホテルに頼んでみるのは一つの手かも」と変更を示唆。特に肉まんの“具抜き”である包子(バオズ)が美味だったようで「消化もいいし、試合前でも大丈夫」と最有力候補に挙げた。
中華パワーで“ママでも金”を成し遂げれば、谷が中国の観衆に「謝謝(シェシェ)」と笑顔を振りまくに違いない。