【第4回】 2008年08月08日
夫婦壮絶バトル!「ゴミ出しで怒り狂う女」vs「指示待ち人間になる男」
海外出張から戻ってきた部下の氷河秀子さんは、なんだかご機嫌ななめだ。「もしかして、嫌われるようなことを言ったかな」と心配になった中田堅二課長は、彼女をランチに連れ出すことにした。
「あ、あのさあ、なんだかこの頃、態度がつっけんどんじゃない?よかったら理由を教えてくれないかな」。こわごわと切り出した中田氏に、氷河さんは一言、「ゴミのせいです」。
好物のパスタで機嫌を直してくれた彼女。真相はこうだった。夫婦共稼ぎの氷河家では、彼女が寝る前にゴミの分別をし、翌朝、夫がそれを捨てに行くことになっている。とはいえ、氷河さんはフルタイムで仕事をしており、残業もかなり多い。眠い目をこすりつつゴミと格闘する自分と、出勤時にマンションの集積所に持っていくだけの夫――。日頃から「どうも不公平なような…」と思っていた。
そして今回の長期出張である。疲れ果てて帰ってきた氷河さんの目に映ったのは、なんとゴミ屋敷と化した我が家だった。
「もう、臭いったらありゃしませんよ!だいたい、私がいないなら、自分で分別すればいいじゃないですか。それなのに『言ってくれればやったのに』だの、『分別の方法がわからなかった』だのって言い訳するんです。そんなの役所のパンフレットを見れば一目瞭然なのに!ああ、腹が立つ。どうして、男って家に帰ると“指示待ち人間”になっちゃうんですか!?」
中田氏は何も言えなかった。指示を待つどころか、彼はゴミ出しや分別など、一度もやったことがなかったからだ。
たかがゴミ問題で
妻が怒り狂うワケ
たかが「ゴミ」と侮ってはいけない。第一生命経済研究所の調査によると、「家事の役割分担」は夫婦喧嘩の原因の第3位で24%。喧嘩のとき、先に怒り出すのは妻の場合が多く、43%だ(「夫が先」は37%)。低い年代ほど「妻が先」は多くなり、最も多いのは30代で過半数(55%)に達している。「パートナーに不満がある」人も、女性が66.7%と大半。このうち共働きの人が61.8%で、専業主婦より多かった。
たしかに総務省の調べでは、3歳未満の子どもがいる共働き世帯の1日あたりの家事時間は、夫が30分なのに対し、妻は3時間4分。子どもがいない共稼ぎ夫婦の場合も、夫が25分、妻が3時間3分と圧倒的に長い。
| 第4回 | 夫婦壮絶バトル!「ゴミ出しで怒り狂う女」vs「指示待ち人間になる男」 (2008年08月08日) |
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西川敦子
(フリーライター)
1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の前作「『うつ』のち、晴れ」は、ダイヤモンド・オンラインで人気No.1連載に。
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