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【三重】

リコーダークラブの中学生6人が韓国へ 竹島問題の中、草の根交流

2008年7月30日

演奏旅行に向けて最後の練習に励む長岡さんと子どもたち=鈴鹿市西条の栄町公民館で

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 日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)を、日本の領土として教えるよう新学習指導要領の中学解説書で記載したため、韓国側が反発し、両国の交流イベントが相次いで中止となる中、鈴鹿市神戸の「神戸ジュニアリコーダークラブ」の中学生6人が30日、韓国へ演奏旅行に出発する。クラブ指導者でリコーダー奏者長岡むつみさん(44)は「政治的に対立しても、音楽でつながっていきたい」と草の根交流の意義を訴えている。

 同クラブは神戸小学校児童や卒業生ら100人近くでつくり、全国大会で活躍している。ソウル市などの選抜メンバーで組織する「韓国青少年リコーダー合奏団」と交流があり、今年1月合奏団が神戸小を訪問。レベルの高い演奏を披露し合った。

 合奏団がクラブに「子どもたちに韓国で演奏してほしい」と打診。現在は中学1年生の6人が5日間の演奏旅行をすることなった。ホームステイし、滞在費は韓国側の負担。

 ところが、訪韓が近づき竹島の領有権問題が急浮上。保護者の間から心配の声が出たため協議を重ねた。「『安全面は大丈夫だろうか』『延期しようか』と迷った」(長岡さん)というが「領土問題は平行線でも音楽で認め合おう」と計画通り演奏することに。

 訪韓する中学生には「創氏改名」や「強制連行」といった日韓の歴史も教えた。生徒の1人は「当初、旅行気分だったが、こういう時だからこそ、両国の子どもが仲良くしなければ」と話している。

 (酒井直樹)

 

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