県内初となるイスラム教のモスク(礼拝所)の「岐阜モスク」が岐阜市古市場東町田に完成し、27日に開所式があった。開所式では、サウジアラビア王国臨時代理大使ら6カ国の在日大使館関係者や、森秀樹・岐阜大学学長があいさつ。県内外のイスラム教徒ら約500人が、新しいモスクの完成を祝った。
モスクは、宗教法人の「名古屋モスク」が、全国のイスラム教徒らから集めた寄付約1億3500万円で建設した。ドーム型の三つの屋根が特徴的な鉄筋2階建て延べ約330平方メートルの建物で、岐阜市北東部の田園風景の中に白い壁が映える。モスクには、1日5回の礼拝を行う礼拝堂や水を浴びて身体を清める沐浴(もくよく)室、イスラム資料を収蔵した文化センターなどがある。
名古屋モスクによると、岐阜市内には1000人以上のイスラム教徒が居住している。これまでは、岐阜大学に通う留学生ら約300人が大学構内で週1回の集団礼拝していたという。しかし、約1年前からは中断していたため、大学構外でモスクの建設地を探していた。
建設の中心となった名古屋モスクのクレシ・アブドルワハブ代表役員(50)は「イスラム教徒は怖いという誤解が日本人にあるかもしれないが、モスクに足を運んでもらうことでそんな誤解を解いてもらいたい。そして、イスラム文化への理解を深めてほしい」と話している。【山田尚弘】
毎日新聞 2008年7月28日 地方版