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2008.08.07 22:52 |  診療  |  こどもの精神科  |  精神科一般  |  NINA  | 推薦数 : 0

悲しいとき…

先日も書いたばかりですが,私は治療のなかで患者さんのご家族のお力を借りるのが大好きです。

でも。

近頃,ご家族のお力をお借りしにくいなぁ,と思うケースがとても多いように思います。

「私はこの子のこと好きじゃないんですよ」なんて,とこどもの前で私に堂々と言う父親とか。
(たとえ本気でそう思っていたとしても,せめて私にだけこっそり言ってくださればいいのに…。)

患者さん本人がなんとかしんどい状態から這い上がろうとしているところで,
「こんなことになって,もうあなたの人生は終わってるわよ」と本人に言ってしまう母親とか。
(誰であっても,誰かの人生を終わりを決めるなんてことありえない!)

私に精神療法の基礎を教えてくださった師匠から「家族のなかの誰かが悪者に見えたら,その見方が間違っている」と何度もたたき込まれたので,上の例のようなことがあっても,その父親や母親が悪いんじゃなくて,そう言わずにはいられないこれまでの経緯や状況があるのだろう,とはがんばって考えてみるのですが。

それにしたって,こういうケースに出遭うと悲しい気持ちにさせられます。
虐待ケースなどではなく,普通に診察室を訪ねてくださるご家族がこんな雰囲気だなんて…。

せっかく診察室でお会いできたんだから,何かのお役に立てたらいいのに,と切に思います。

「好きじゃない」「人生終わってる」と思いながらも診察にはついてきてくださっているお父さん,お母さんの,ことばの裏に隠れた本人を思う気持ちを呼び起こして,本人とご家族と一緒にそれを確認したい。

ご家族の悲しいことばを理由にして治療を放棄しないように,これからも粘っていこうと思います。

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